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グローバル・エクイティ・オブザーバー
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2022年4月3日

気候変動:すべての人に関わること

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2022年4月3日

気候変動:すべての人に関わること


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気候変動:すべての人に関わること

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2022年4月3日

 
 

2021 年、私たちは運用する全てのグローバル株式戦略でカーボン・トランジション・エンゲージメント・プログラム(低炭素化への移行に関するエンゲージメント・プログラム)を開始しました。その目的は、各保有銘柄の気候リスクと機会を評価し、その気候関連情報を理解し、改善を促すことです。また、低炭素社会の実現に向けた私たちのポートフォリオの耐性を確認するために実施したものです。私たちは、運用するグローバル株式戦略において保有する全企業の95%とエンゲージメントを実施しました。これは、企業エンゲージメントにおける運用業界の平均をはるかに上回るレベルです(国連が支援する責任投資原則による最近の報告書によると、平均的な水準は保有株式の19%に過ぎません)1

 
 

その後、ポジティブな成果が出ています。当初、(脱炭素の)目標を設定していなかった7社のうち6社が目標を設定するための準備を進めている、もしくは目標を設定しました。また、既に目標を設定していた9社がより高い目標であるカーボンニュートラルまたはネットゼロへと目標を変更しました。2021年初頭の段階で、私たちのグローバル株式戦略で保有する企業でネットゼロ以上の目標を設定していた企業の割合は、各グローバル株式戦略で平均して54%でしたが、年末までにこの平均は71%にまで上昇しました。一方、フォーブズが毎年発表する世界の公開会社上位2000社を調査対象にオックスフォード大学が発表したレポート2によると、ネットゼロ目標を設定している企業はわずか21%でした。

気候変動は、今やすべての人に関わる問題です。気候変動に関する政府間パネルの第1ワーキンググループによるPhysical Science Basis(自然科学的根拠)レポートでは、世界の気温上昇を1.5℃に抑えることは可能だが、それは世界が低炭素化に向け早急に行動した場合に限られると主張しています3。私たちは、気候変動に取り組むことは正しいことであるだけでなく、ビジネスとしても意味のあることだと考えています。私たちがエンゲージメントを行う企業へのメッセージは明確で、炭素排出に対処しないことは今やリスクを伴うビジネスであるということです。企業は、排出量に課税されたり規制されたりする危険に直面し、競争上の地位、物的資産、評判、利益、株価評価、そしておそらく将来さえも危険にさらすことになるのです。

投資家にとって、企業の炭素排出リスクの評価は、今や証券分析や銘柄選定の基本的な一因となっています。私たちが求める高クオリティな、企業レベルの情報は、単なる第三者からの情報ではなく、ターゲットを絞ったエンゲージメントによってのみ得られるものです。エンゲージメントを実施することは、私たちが運用プロセスにESG(環境・社会・ガバナンス)を統合していること(ESGインテグレーション)の証明と言えます。2021年には、全体で143件のESG関連エンゲージメントを実施しました。エンゲージメントといっても、形式的に電子メールを送付してチェック項目を確認したり、匿名のグループミーティングや「お見合いパーティーのような」会議を行ったりすることではありません。私たちは、経営陣やシニアなESGスペシャリストと1対1で対話することを重視しています。私たちは、大株主かつ長期保有の株主であるため、経営陣等への優れたアクセス手段を有しています。常に1社もしくは2社は会うことが難しい企業も存在するものの、2021年においては、グローバル株式戦略で保有するほぼ全ての企業と炭素に関する独占的な意見交換を行えたものと自負しています。

成果を上げるための的確なエンゲージメント

私たちが求めるエンゲージメントのタイプは、個々の企業が気候に関して、どれほど成熟しているかによって異なります。例えば、低炭素化への旅路を歩み始めるための支援をする段階なのか、透明性と説明責任の向上を求める段階なのか、善意による挑戦的な目標に向かって正しい道を歩んでいるか、などです。また、情報開示、目標、行動において既に正しい道を歩んでいる企業に対しては、エンゲージメントを活用して、パフォーマンスを追跡し、継続的なリーダーシップを奨励しています。

私たちが求める成果(またはリスク)は、業界によって異なります。炭素削減に対する抱負や目標を持っていなかった、ある優良な資本財/テクノロジー関連企業との炭素に関する最初のミーティング後、同社はESGの最善慣行と投資家の期待に関する我々の見解について、彼らとコンサルタントの両方とエンゲージメントを持つよう我々を会合に招きました。その結果、同社は炭素戦略を策定すことができました。これは、ターゲットを絞ったエンゲージメントが有効であることを示す成果だと考えています。

別の業種では、消費者信用調査会社で、環境・社会に関する目標が経営者のインセンティブに含まれていないことについて異議を唱えました。すると、彼らは環境の変化を認め、現在、社内で積極的に議論しているとのことでした。環境の変化というテーマで、スコープ1排出量について、現在在宅勤務している従業員の二酸化炭素排出量をどのように測定しているか、また、今後異なる勤務形態になる可能性がある場合の影響を尋ねました。また、データセンターがテキサス州にあることのメリットについて、冷暖房が排出量の大きな部分を占めていることを踏まえ、異議を唱えました。この点もまた、社内で積極的に検討されています。

エンゲージメントは、政策や目標に対して異議を唱えることだけではありません。気候変動に関連する機会を探ることもあります。この場合、いくつかの新たな取り組みは比較的最近のものであるため、ポジティブな結果には程遠いかもしれませんが、いずれもより重要なものになる可能性は十分にあります。私たちが保有する世界的な大手取引所グループは、規制の変更をポジティブに捉え、それに関連する「新しいプロジェクトがいたるところで生まれている」と述べています。 この会社は自分たちの立場が、規制された市場で取引商品を作るために理想的であると考えています。

また、他の保有企業(世界有数の経営コンサルティング会社)では、世界の大手企業とのグローバルなパートナーシップに加えて、その顧客基盤の一部がサプライ・ネットワークの一部である(つまり同社が雇っている)ことから、サステナブルな取り組みを推進するユニークな立場にあるといえます。サプライヤーに対しては、2025年までにネットゼロを達成するという同社の目標の一環として、主要サプライヤーの90%が環境目標を開示することを目標としています。他社との提携に関しては、世界有数のソフトウェア会社と連携したジョイントベンチャーで、英国の電力会社やエネルギー会社がエネルギーシステムを変革し、英国内の電力需給の脱炭素化に伴うコストを低減する事に貢献しています。これは、彼らが有するオープンデータ、人工知能(AI)、デジタルスキルを持った従業員(労働力)に支えられています。私たちは彼らとのエンゲージメントにおいて、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が含まれている一方で、なぜ環境に関する目標が経営者のインセンティブに含まれていないのかを彼らに迫りました。彼らは私たちの提案を受け入れ、社内で議論をし始めました。

今後のプログラム

プログラムの第一段階を終え、2022年の計画では、より良い結果を得るための提唱を続けていきます。重点分野は以下の4点です。(i) 透明性の向上と情報開示。 (ii) 目標をネットゼロとする事の強化、科学的根拠に基づく目標とスコープ3の採用(もし採用されていない場合)。(iii) 経営陣のインセンティブをよりよく調整し、環境・社会目標を達成させるために役員報酬と連動させること。(iv) 自然に基づく解決策と物理的な資産リスクについて話を進めること。

気候変動は、個人または小さなグループによって取り組むことができるものではありません。しかし、私たちにできることは、企業の釈明を促し、変化を促し、奨励し続けることです。私たちが常に心がけているのは、高クオリティのコンパウンダーを適正なバリエーションで保有することです。過去25年間、このような特徴を持つ企業への投資は、今世紀初頭のドットコム・バブルの発生と崩壊、経済不況、そして直近では世界的なパンデミックなど、本当に厳しい時期に真価を発揮してきました。このような企業はレジリエンス(耐久性)を、それが最も必要とされるときに発揮してきたのです。私たちが高く評価している経済性 (高い投下資本利益率に基づいて、長期にわたって安定的に複利のように利益を増やせること)は高クオリティの基礎であり、長期的に魅力的なリターンを得るための最善の道へと導いてくれるものであると信じています。

 
 

1 出所:責任投資原則、上場株式スナップショット2017-2020(2020年10月8日)

2 出所:ECIU オックスフォード大学:Taking Stock. A Global Assessment of Net Zero Targets(2021年3月)

3 出所:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1ワーキンググループによる第6次評価報告書内の、Physical Science Basisに関する国連事務総長の声明(2021年8月9日))


 
nic.sochovsky
マネージング・ディレクター
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
vladimir.demine
ESG調査責任者
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
alistair.corden.lloyd
エグゼクティブ・ディレクター
 
 
 
 

定義

スコープ1の排出量は、企業自身による直接的な排出量(例:石炭/ガス発電所、セメント窯、鉄鋼炉、自社トラック)。

スコープ2は、企業が購入する電力に含まれる排出量。これは、a)工場や生産現場がどの程度のエネルギーを消費するか、b)電力供給会社のエネルギー構成(再生可能エネルギーか化石燃料か)によって決まる。これは現在、多くの国で選択の問題になっている。

スコープ3は、間接排出(企業が管理できないもの)で、サプライチェーンに起因するもの(川上)、そして消費者が製品を使用する際に生ずるもの(川下)。

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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25億円超50億円までの部分に対して             0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して     0.702%(税抜 0.650%)
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投資信託にかかる費用
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- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
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