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グローバル・エクイティ・オブザーバー
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2022年6月1日

不確実性の高い世界における投資

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2022年6月1日

不確実性の高い世界における投資


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不確実性の高い世界における投資

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2022年6月1日

 
 

ウクライナでの軍事衝突により、世界はテレビ放映 を通して人道的危機を目の当たりにし、第二次世界 大戦以来、ヨーロッパで想定されていなかった 脅威やシナリオに取り組まなければならない状況 となっています。運用チームとして、犠牲者とその ご家族の方に心よりお悔やみ申し上げます。MSCI ワールドは米ドルベースで年初来4月末までに 約13%下落していますが、過去12 ヶ月では約3% の下落に留まっています。このかなり限定的な市場 の下落は、市場の収益期待(予想EPS)の低下とい うよりも、むしろPERの下落に起因しています。

 
 

楽観的な見方かもしれませんが、予想利益は年初来で上昇しています。歴史的に見ると、世界金融危機やCOVIDのような厳しい状況下においても、利益の堅調さにより、私たちが運用するグローバル株式ポートフォリオは、比較的ダウンサイドに対する追従を低位に抑制してきた(すなわち下値抵抗力を発揮してきた)のですが、2022年は年初来で市場の利益が持ちこたえていることから、そのような過去のパターンとは異なっています。

注目すべきは、PERが高い銘柄ほどPERが下落する、よってバリュエーションが割高な銘柄ほど株価が下落している点です。MSCIワールドを2021年末のPER倍率で五分位に分けると、2月末までの2か月間で、第1五分位(最も割高なグループ)の株価は15%減、第2五分位は9%減、その他五分位は1-4%減にとどまっています。私たちは過去数年間バリュエーションに重点を置き、常に最も割高なグロース銘柄への投資を回避してきたことに加え、より割高なグロース性の高い銘柄の株価が上昇した際には保有を減らしてきました。

しかし、ポートフォリオが保有する高クオリティ銘柄は市場全体よりも若干割高となっており、ポートフォリオの組み入れ銘柄の約半分は第2五分位内に位置しています。そのため、市場のPERの下落は逆風となりましたが、魅力的なバリュエーション水準まで下落したいくつかの銘柄(ポートフォリオに組み入れられているかどうかは問わず)を組み入れる機会になりました。最後のポイントは、セクターの動向です。私たちのグローバル株式ポートフォリオにとって重要な生活必需品セクターは今年も比較的よく持ちこたえていますが、2022年にアウトパフォームしている他のセクターを見てみると、私たち運用哲学により保有していないセクターである、エネルギー(今年に入り最も顕著なパフォーマンス)、素材、公益事業が含まれており、また、私たちが大幅にアンダーウェイトしている金融(特に銀行を避けているため)も含まれています。

私たちは、市場が苦手とする長期的に複利のように資産を増やす(コンパウンドする)ことに焦点を当て続けています。私たちが銘柄に求めるものはシンプルですが、発見するのは容易ではありません。まず、ブランドやネットワークなど、圧倒的かつ持続可能な無形資産を持つ企業です。このような無形資産には、投入コストの上昇分を最終消費者に転嫁することができる価格決定力があります。これは昨今のインフレ環境においては特に重要になります。価格決定力を示す指標として、過去の投入コスト急騰時の、高く安定した粗利益率の実績があります。また、変動制のあるシクリカルな売上ではなく、既存事業(オーガニック)の継続的かつ安定的な売上成長の能力も要求されます。このような継続的な収益は、お気に入りのシャンプーやフェイスクリームのリピート購入、または長期的な関係や契約によってもたらされます。価格決定力(利益率の保護)と継続的な売上(売上の保護)の組み合わせは、強固な利益をもたらすはずです。有形固定資産よりも無形固定資産に依存することで、これらの利益は高い投下資本利益率で生み出され、結果として強固な利益は強固なキャッシュフローとなるはずです。

残念ながらコンパウンドするには、安定的な高い成長を生み出すために必要な、強力で持続可能なフランチャイズだけでは不十分です。無形資産を維持・向上させるための技術革新や広告を継続するだけでなく、余剰フリーキャッシュフローをうまく配分する、適切な経営陣も必要です。見事な買収を行う企業も存在しますが、大半の企業はそうではないため、余剰キャッシュを株主に還元することにも注力すべきです。最後の試練はバリュエーションです。私たちは、コンパウンダー(つまり複利のように利益を増幅させることができる企業)を適正な株価で保有したいと考えていますが、その企業が割高であれば、投資資本が長期にわたり毀損する危険性をはらんでいます。

この銘柄選択プロセスは、四半世紀にわたって一貫しています。この長期にわたる実績や基本的な経済的特性により、私たちのグローバル株式ポートフォリオの利益は、インフレや政府のインフレ対策、地政学的危機などにより広範に市場全体の収益性が圧迫されても、相対的に耐久性を発揮する可能性を示唆しています。

市場は依然として脆弱に見え、特に現在の地政学的危機が悪化した場合、それが当てはまります。予想EPSは2020年6月以降に57%上昇、COVID前のピークを23%も上回っています。不確実性の高い世界においては、比較的予測可能性が高く、複利的に収益を伸ばせる企業のポートフォリオを保有することで不確実性を制限し、またそれら企業が市場に対して適度なフリーキャッシュフロー・プレミアム(割高)で入手できる場合は、とりわけ理にかなった投資になると私たちは強く訴えたいと思います。

 
bruno.paulson
マネージング・ディレクター
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
 
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定義

スコープ1の排出量は、企業自身による直接的な排出量(例:石炭/ガス発電所、セメント窯、鉄鋼炉、自社トラック)。

スコープ2は、企業が購入する電力に含まれる排出量。これは、a)工場や生産現場がどの程度のエネルギーを消費するか、b)電力供給会社のエネルギー構成(再生可能エネルギーか化石燃料か)によって決まる。これは現在、多くの国で選択の問題になっている。

スコープ3は、間接排出(企業が管理できないもの)で、サプライチェーンに起因するもの(川上)、そして消費者が製品を使用する際に生ずるもの(川下)。

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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費用について
投資一任契約に基づいて直接投資をする場合の費用
投資顧問料率
25億円までの部分に対して          0.864%(税抜 0.800%)
25億円超50億円までの部分に対して             0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して     0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
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※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
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最低受託金額
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投資信託にかかる費用
信託報酬                        年率0.054%(税抜 年率0.05%)内、委託者報酬(運用報酬) ありません
信託財産留保(相当)額    基準価額に0.20%を乗じた額(解約時)

•   販売手数料はございません
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- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
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上記投資顧問報酬(0.75%)と上記投資信託の信託報酬(0.05%)の合計は、0.80%(年率、税抜)となります。