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グローバル・エクイティ・オブザーバー
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2020年6月29日
未来を紐解く – コロナ後の世界
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2020年6月29日

未来を紐解く – コロナ後の世界


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未来を紐解く – コロナ後の世界

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2020年6月29日

 
 

我々のグローバル戦略はレジリエンスそのものです。我々は自宅からの勤務を円滑に行っており運用チームはレジリエントです。また、運用プロセスもレジリエントであり、資本の恒久的な崩壊を避けられるよう、ポートフォリオに組み入れられた企業がコンパウンド(高い投下資本利益率を維持)できるかを分析しています。そして、おそらく最も重要なのは、ポートフォリオがレジリエントであるという点で、再び、苦しい環境下において、下値抵抗力をもたらしてくれました。

 
 

このレジリエンスは、2020年に我々のポートフォリオが何も変わっていないことを意味するものではありません。私たちは、3月のアップデートでCOVID-19についての考察アプローチを示しました。それは影響を3つの項目に分けたものです:

  • まず、コロナウイルスによる直接の影響と、拡散を防ぐための努力措置による影響があります。
  • 次に、間接的な影響で非常に深刻な景気後退が世界に見られるということです。
  • 最後に、危機が完全に過ぎ去った後、世界がどのように変化するのか、また、それらがどのような影響をセクターおよび個別企業に与えるかです。
     

我々の見解は、先進国市場がロックダウン(都市封鎖)を解除するにつれて、焦点は第1項目から第2項目に移行していますが、予想EPS(一株当たり利益)または予想PER(株価収益率)が先行する課題を反映しているとはとても思えません。第3項目にはまだ考えるべきことがたくさんありますが、ハイストリート(またはメインストリート)からデジタルストリートに移行する能力は、明確な差別化領域となるでしょう。

 
 
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ハイストリート(またはメインストリート)からデジタルストリートに移行する能力は、明確な差別化領域となるでしょう。
 
 
 

第1項目: 直接の影響

我々は、3ヶ月のロックダウン(都市封鎖)と、ソーシャル・ディスタンシングによる、それに続く混乱の期間を仮定していましたが、それは依然として続いています。明らかに、いくつかのセクター、特に旅行、外食を伴う飲食業は重大な影響を受けており、緊急ではない病院における医療行為は先送りされています。潜在的に恩恵を受ける領域は少なく、食品小売、消毒用品、ソフトウェアなどです。前回のアップデートで述べたように、我々はバーとレストランにおける継続的な混乱に対する懸念から、収入の約半分を飲食店での酒類販売に占める、飲料企業へのエクスポージャーを削減しました。しかし、一般的には、先進国市場がロックダウンから抜け出すにつれて、我々の焦点は危機の直接的な影響から、それに伴う景気後退へと移行してきました。

 
 
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回復の始まりは急なものかもしれませんが、多大な傷跡を残しています。
 
 
 

2項目: 景気後退

いまや、「V」、「U」、「W」、「スウーシュ」(ナイキのロゴマークの形)、「さかさ平方根」など、経済回復の道筋の形状を推測する小規模な業界が存在します。「前例のない」という言葉が大いに使われてきましたが、これは、需要に対する前例のない打撃が、前例のないレベルの政府介入によって補償がなされたからです。ロックダウンが緩和され、店舗の再開に伴って抑えられていた消費が急回復し、経済回復の始まりは急なものかもしれませんが、第二波を心配する以前に、今回の危機では、米国で直近の10週間に4,000万件の失業保険申請があったように、多大な傷跡を残しています。我々はトップダウンのマクロアナリストではなく、クオリティに注目することから、性質的には保守的ですが、MSCIワールド・インデックスの2021年のEPS(一株当たり利益)は2019年の水準に対してわずか2%の下落にとどまるという市場コンセンサスは理解に苦しみます。

仮に我々が慎重すぎるだけで、2021年のEPS(一株当たり利益)が2019年の水準とほぼ一致したとして、それはCOVID-19が2年間の利益成長を失わせたことを意味しますが、MSCIワールド・インデックスは年初来わずか8%の株価下落にとどまっています。この控えめな下落は、MSCIワールド・インデックスが2020年のコンセンサスPER(株価収益率)が17倍であった年初のすでに割高だった市場水準からのものであり、(2019年と同じという)おそらく楽観的な2021年のコンセンサスEPSに基づくPERは、17倍を超えていることを意味します。株価低下の要因はPER(株価収益率)の低下かEPS(一株当たり利益)の低下の2つだけであり、3月下旬以降MSCIワールド・インデックスの株価は35%上昇した今、我々はこの両方を警戒しています。

良いニュースとしては、我々のポートフォリオはインデックスに投資をしていないということです。その代わり、高クオリティ企業、つまり長期的に高い投下資本利益率を維持できる企業、すなわち、我々が好み、「コンパウンダー」と呼んでいる企業に投資をしています。それらの企業は再び相対的な強さを示しています。ロックダウン環境下においてもロックアウトされていません。コンパウンダーが通常どこで見つかるかを考えると、それは主に株式市場のいくつかの明確な分野であり、それはすなわち生活必需品、ソフトウェア&ITサービス、ヘルスケアです。我々のポートフォリオの80%以上はこれらの分野に集中しており、ブランド、ネットワーク、特許、ライセンスなどの無形資産を所有しているため、高い粗利益率に裏付けられた価格決定力を有しています。このようなレジリエント(回復力ある)特性が、今年に入ってからの広範な市場に対する、相対的なアウトパフォームに寄与しています。

コンパウンダーが有するもう一つの利点は、現在のような困難な状況においても、その反復性ある収入のおかげで、引き続き、それら企業は求められているということです。患者は継続的に生理食塩水または透析を必要としていますし、人々は引き続きクリーニング用品からおむつに至るまで、日々の必需品を購入しています。そして、企業はITシステムに依存して業務と通信を行っています。コンパウンダーも急激な景気後退局面では利益の伸びは鈍化するかもしれませんが、主力製品の完全な注文のキャンセル、多額の貸し倒れ損失、もしくは商品価格の下落に直面した企業ほど劇的なものではありません。これら企業は営業レバレッジ(固定費が多い)の上に財務レバレッジをかけている(負債が多い)場合、すべての問題は深刻なものとなります。

 
 
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COVID-19では、顧客にとって重要であること、市場への適切なルートを持つこと、ダイナミックで柔軟性のあることの重要性が明らかになりました。
 
 
 

3項目: コロナ後の世界

これまでのチームの主な焦点は、項目1と2の取り扱い、すなわち、健康危機と起こりうる経済危機の複合的な影響をモデル化し、それ以上に困難なシナリオ下でのストレステストをすることでした。しかし、思考はより長期的な項目3へと向かって進んでいます。COVID-19とそれを抑制する努力は、顧客にとって重要であること、市場への適切なルートを持つこと、ダイナミックで柔軟性のあることの重要性を明白にしました。4月のアップデートで述べたように、ウィルスは特に経済のデジタル化に、アクセラレーター(加速装置)の役割を果たしています。「バーチャルストリート」に投資し、ビジネスをハイストリート(従来の実在の大通り)からオンライン化するといったビジョンを持っていた人々は、その恩恵を得られています。今日では、誰もが自分オリジナルのランニングシューズを製作注文でき、世界中の商品を自宅から注文することができ、携帯電話のカメラを使って肌の調子を判別し自分に合った化粧品を注文することができ、自宅から仕事ができ、TeamsやZoomを使って協業でき、投資と貯蓄、支払いなど―すべてオンラインで行うことができます。仕事のやり方、買い物の仕方、学習方法、出会い方、楽しみ方や、身体を鍛えることですら、今まで想像もしなかったくらい短期間に、デジタル化はこれら全てにおいて何百万人もの人々が慣れ親しむ、新しい経路の習慣を生み出しました。

 
 
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デジタルな濠を構築できることは、高クオリティのコンパウンダーにとってますます不可欠な特性となっています。
 
 
 

もし他の誰かができていることが、新技術に投資をしなかったことで、製品やサービスが顧客や消費者に到達されず、見られず、買われず、配送されることさえなかったものがあったならば、B2BであろうとB2Cであろうと、その会社は顧客や消費者にとって重要であり続けられません。投資家として、また、長期的なリスクと機会を理解しようとするポートフォリオ・マネジャーとして、我々にとっては常に、リターンを維持するために企業が顧客や消費者との関係を保つための投資をしなければならない、ということは明らかでした。我々は、25年以上にわたる我々の哲学として、常に高クオリティのコンパウンダーに投資をしてきましたが、我々がそれらの企業を見つけ出すセクターと、またそのために何に注意を払わなければいけなかったかが、四半世紀の間に変化しました。今日、フランチャイズを守り、強化し、拡張するために、場合によってはデジタルな濠を構築できることは、高クオリティのコンパウンダーにとってますます不可欠な特性となっています。

 

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本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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25億円までの部分に対して          0.864%(税抜 0.800%)
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50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して     0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
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- 信託事務の処理に要する諸費用
- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
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