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2023年インベストメント・アウトルック
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2022年12月30日

ハイイールド債券:長期的価値の魅力

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2023年インベストメント・アウトルック

ハイイールド債券:長期的価値の魅力

ハイイールド債券:長期的価値の魅力

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2022年12月30日

 
要旨
1

ハイイールド債券の発行体を取り巻くファンダメンタルズは、概ね堅調な状況で2022年を終えようとしているものの、2023年には大きな向い風に直面する可能性があります。

2

ディフェンシブ・セクターと高格付けのクレジットを選好しており、特に良好な長期的価値を有している銘柄に注目しています。

3

クレジット・スプレッドが拡大し、一定水準を上回った場合、規律ある方法でリスクを増やす方針です。

 
 

市場の状況

2023年には、市場の注目が世界経済の鈍化に移ると見ています。金融政策が依然として市場動向を左右する重要な要因になると考えられますが、複数の先進国市場における景気後退見通しが2023年を通してボラティリティ上昇を引き起こす要因になる可能性があります。

ハイイールド債券の発行体のファンダメンタルズは依然として底堅く、ハイイールド債券市場は相対的に堅調な状況で2023年を迎えようとしています。レバレッジは管理可能な水準にあるように思われ、インタレスト・カバレッジ・レシオは過去最高に近い水準で推移しています。

ただし、2022年末時点でファンダメンタルズが堅調であるものの、2023年には悪化する恐れがあります。特に、インタレスト・カバレッジ・レシオが低下すると同時に、事業活動の鈍化に伴って企業業績が悪化することが予想されます。特に変動金利の債務が多い発行体のインタレスト・カバレッジ・レシオは大幅に低下すると見ています。

新規発行は2022年を通じて低調に推移しました。しかし、金利が長期にわたり高止まりする状況に企業が慣れるにつれ、2023年には新規発行が増加する可能性があります。
 

今後の注目点

投資判断では、クレジット・リスクを負うことの見返りとしてリターンが十分に得られることが重要です。したがって、リスクを負うことに対する適切なリターンを確保するために投資先を再検証している一方、クレジット・リスクが高まっている環境下で、魅力的なアップサイドも追求しています。

私たちは、現在のバリュエーションは概ね適正な水準にあると見ていますが、今後、さらにクレジット・スプレッドが拡大する可能性が高いと予想しています。仮にクレジット・スプレッドが大幅に拡大した場合、長期にわたって魅力的なリスク調整後リターンが獲得可能な買い場となる可能性があります。2023年のハイイールド債券市場では、クレジット・スプレッドが一定水準を上回った場合、規律あるアプローチに従ってリスクを徐々に増やすことが重要になると考えています。
 

投資行動・今後の方針

私たちは、シクリカル銘柄や、非対称のリスク・リターン特性が魅力的でないセグメントへのエクスポージャーを減らしています。一方、過去の平均的な水準から大きく乖離した水準で取引されているディフェンシブ・セクターを選好しています。例えば、ヘルスケア・セクターの平均クレジット・スプレッドは通常、ICE BofA U.S. High Yield Indexの平均クレジット・スプレッドよりも約40ベーシス・ポイント(bps)低い水準ですが、同セクターの平均クレジット・スプレッドは2022年11月30日時点でICE BofA U.S. High Yield Indexよりも158 bps高い水準です。

私たちは、高格付けのクレジットや、フリーキャッシュフロー創出能力の耐久力が高い発行体を引き続き選好しています。特に利益率が高く、高水準かつ継続的な売上を有しているサービス関連のセグメントに注目しています。

最後に、クレジット・スプレッドが一定水準を上回った場合、規律ある方法でリスクを増やす方針です。

 
 
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2023年のハイイールド債券市場では、クレジット・スプレッドが一定水準を上回った場合、規律あるアプローチに従ってリスクを徐々に増やすことが重要になると考えています。
 
 
steve.concannon
ハイイールド債券共同責任者、ポートフォリオ・マネジャー
 
 

重要事項

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