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グローバル・エクイティ・オブザーバー
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2022年1月17日

サプライチェーンの逼迫

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2022年1月17日

サプライチェーンの逼迫


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サプライチェーンの逼迫

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2022年1月17日

 
 

より重要なのは需要ではなく、供給なのです。18か月前、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界的に流行し、商品やサービスに対する需要が崩壊しました。多くの国では、過去最大の国内総生産(GDP)縮小に苦しみました。

 
 

足元では、一部の例外(例:旅行業界)はあるものの、企業の商品やサービスに対する需要は、かつてないほど高まっています。しかし企業は、労働力、原材料、部品の不足や、物流能力の低下によるサプライチェーンの逼迫により、コスト上昇や製品の供給制限など、より多くの経営課題に直面しています。

私たちは今、予期せぬ需要の落ち込みではなく、供給不足による利益に対する警戒という異常事態を目の当たりにしています。

 
 
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COVID-19 によって人々が求める商品やサービスの種類が劇的に変化しました。
 
 
 

なぜこのような状況になったのでしょうか?端的に言えば、COVID-19によって人々が求める商品やサービスの種類が比較的短期間で劇的に変化したからです。これは大きな驚きではありません。というのも、大半の人々の生活や仕事のやり方が劇的に変化したためです。このような(生活様式の変化に伴う)需要の急激な変化には、サプライチェーンの構築に時間がかかるため、容易に対応することができません。

具体例を挙げると、スポーツ用品の需要が急増しています。過去18カ月の間に、パンデミックの影響で人々は、新たな方法で健康を維持しようと努めてきたことから、かなり確立されたトレンドが加速していることが分かります。多くの人々にとって、健康であることの重要性が高まりました。

 
 
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輸送コンテナと港のキャパシティが不足しているため、商品が目的地に到着するまでに通常時よりも2倍の時間がかかっています。
 
 
 

スポーツ用品メーカーは、主に東南アジア、特にベトナム、カンボジア、中国に拠点を置いています。ベトナムは、パンデミックの発生から約2年が経過した今でも、その影響が残っていることを明確に示しています。ベトナムでは、政府命令のロックダウンによって工場が閉鎖され、何週間も製品を生産することができなくなり、また生産体制が復旧するまでにも何週間もかかりました。靴や衣料品は、消費者の手元に届くまでに世界中を飛び回る必要があります。足元では輸送コンテナと港のキャパシティが不足しているため、商品が目的地に到着するまでに通常時よりも2倍の時間がかかっています。これは航空旅客数の減少よる連鎖的な影響で、航空貨物の輸送能力の大部分が失われたため、航空貨物のコストが上昇し、企業が海上輸送への切り替え余儀なくされたことによります。その結果、どうなったのでしょうか?店頭に並ぶ靴や衣服が減り、それに伴って売上も減少しました。

これはどのくらい大きな問題なのでしょうか?業界全体が外注生産を行っており、その多くが同じサプライヤーに外注しているため、これは企業固有の問題ではなく業界全体の問題です。結局は、すべての企業が損をします。皮肉なことに、最終的に売れる商品が減るため、利益は大きく減少します。ただ、売れ残りの在庫が限られているため、販売価格が値引きされることなく商品が販売されることで、部分的な利益の埋め合わせにはなるかもしれません。これは、業界が粗利益率と投下資本利益率の向上を目指していることと符合します。つまり、一つの明るい兆しとして、消費者が値引きを待たないようにするための新たな一歩になるかもしれないということです。一方でリスクは何でしょうか?それは、消費者が何か別のものにお金を使う、つまり消費が他(商品)に移ってしまい、供給が再開されても全てが戻ってこないことです。

私たちが運用するグローバル株式ポートフォリオで保有することが多い大企業は、この嵐を切り抜け、デジタルプラットフォームへの投資を継続するだけの規模を持っていますが、遅れを取り戻そうと躍起になっていた中小企業は、デジタルのレースでさらに遅れを取ることになるかもしれません。

需要に「乗り遅れるな」という焦りは、環境、社会、ガバナンス(ESG)面でのリスクも生みだします。スポーツ用品業界のサプライチェーンに関する不祥事は、これまでにもよく知られていますが、労働者の福祉とのバランスを取りながら迅速に生産を増やさなければならないというプレッシャーの中で、これ以上問題を大きくしないように注意する必要があります。これは、企業がビジネスを行う上で、人々を優先することの取り組みをどれだけ進歩させてきたかを示す、良いテストになるかもしれません。

 
 
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半導体の供給不足は簡単には解決できず、新たな生産能力を確保するしかありません。
 
 
 

もちろん、スポーツ用品は最近の被害者として挙げられますが、半導体は需要と供給の明らかなミスマッチが発生した最も初期の事例と言えるでしょう。半導体においては、COVID-19による需要の増加(在宅勤務、在宅教育など)が、相対的に固定された短期の供給と衝突しました。その結果、自動車産業が停滞するなど経済の様々な分野で連鎖的な影響が出ており、テクノロジーがいかに世界経済に浸透しているかを示しています。半導体の供給不足は簡単には解決することができず、新たな生産能力を確保するしかありません。台湾の大手半導体受託製造会社は、今後3年間で1000億ドルの投資を行うことを示唆しています。また、この供給不足によって、半導体サプライチェーンのキャパシティは数社の大手半導体メーカーや機器メーカーによって供給されていて、いかに狭く、またグローバル化しているかということが浮き彫りになりました。

 
 
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価格決定力は極めて重要です。
 
 
 

価格決定力のある企業は、コスト上昇分を最終顧客に転嫁することができます。今日の旺盛な需要環境では、歴史的に価格決定力が弱い企業であっても、多くの企業がコスト上昇を転嫁して利益への影響を最小限に抑えられると確信しています。しかし、価格決定力が弱い企業にとっては、この供給が逼迫する時期が終わると、価格が不安定になる可能性があります。

価格決定力は、私たちが運用するグローバル株式ポートフォリオで保有する企業に求める極めて重要な特性です。これらの企業の利益やリターンには短期的なボラティリティがあるかもしれませんが、足元の出来事が終われば、これらの高クオリティ企業の潜在的な利益は、より高い水準に引き上げられることになり、そして、高クオリティ企業と低クオリティ企業間のギャップがより広がると考えています。

 
nathan.wong
エグゼクティブ・ディレクター
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
 
 
 

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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費用について
投資一任契約に基づいて直接投資をする場合の費用
投資顧問料率
25億円までの部分に対して          0.864%(税抜 0.800%)
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50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して     0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
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※ 契約資産の性質・運用方法等により、お客様と協議の上、最低受託額、受託額及び投資顧問料率を別途取り決めることがあります
※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
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最低受託金額
効率的な運用を実現するという観点から、個別口座の最低受託金額を50億円と設定しております。
《ご注意》
上記に記載している費用項目につきましては、一般的な投資一任契約を想定しております。受託資産の運用に係るリスクや費用については、投資一任契約を締結する際に、事前に契約締結前書面をご覧ください。
投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の費用
組入れ予定の投資信託は、弊社がお客様と締結する投資一任契約に基づいて投資を行うための専用ファンドであり、当該目的での利用に限定しております。

投資顧問料率
一律0.81%(税抜0.75%)
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•   組入れ予定の弊社設定投資信託から弊社が受領する運用報酬はございません。したがって、投資顧問報酬額は上記の年率0.75%(税抜)で計算されます。
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投資信託にかかる費用
信託報酬                        年率0.054%(税抜 年率0.05%)内、委託者報酬(運用報酬) ありません
信託財産留保(相当)額    基準価額に0.20%を乗じた額(解約時)

•   販売手数料はございません
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- 組入有価証券を売買する際に生じる取引費用
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- 信託事務の処理に要する諸費用
- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
- 投資信託振替制度に係る手数料および費用等
(上記その他の費用については、当該投資信託の運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません)

上記投資顧問報酬(0.75%)と上記投資信託の信託報酬(0.05%)の合計は、0.80%(年率、税抜)となります。