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グローバル・エクイティ・オブザーバー
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2022年9月20日

株式市場は下落しているが、利益は、まだ低下していない

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2022年9月20日

株式市場は下落しているが、利益は、まだ低下していない


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株式市場は下落しているが、利益は、まだ低下していない

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2022年9月20日

 
 

2022年上半期(1-6月期)の株式市場は、MSCIワールド・インデックスが米ドルベースで20%以上も下落し、過去50年以上の期間で最悪のスタートとなりました。奇妙な点としては、この下落はすべてPERの下落によるものであり、まだ利益は下落をしていないという点です。2022年と2023年の予想EPSはともに若干上昇しており、12ヶ月先予想EPSは年初来で5%増加しています。これは、2022年よりも2023年のほうが予想EPSは高いため、今年の後半になり2023年予想分の比率が高まるにつれて、12ヶ月先予想EPSが高まっているためです。

 
 

年初の12か月先予想利益に基づくPERは19.3倍と、ハイテクバブル崩壊からパンデミックまでの17年間(2003年から2019年まで)の平均を36%上回っており、その17年間はPERが17倍に達することさえなかったことを考えると、このPERの下落はそれほど奇妙なことではないと言えるでしょう。今回の下落によりPERは14.6倍まで低下し、2003年から2019年の平均をわずか3%上回る水準となりました。この結果、更なるPERの下落リスクは明らかに減少し、私たちの懸念は利益の見通しに移行しました。

残念ながら、インフレが少なくとも名目上の売上増加に寄与するとはいえ、利益について不安を抱く理由はたくさんあります。短期的に大きな脅威となるのは、景気の減速や後退の見通しです。中央銀行は金利の引き上げを通じて需要を抑制し、インフレに対抗しようとしており、金利引上げの調整でソフトランディングの達成を目指しています。巷の経済予想も、それが可能であると考えている様子です。つまり、経済協力開発機構(OECD)は2023年の米国とユーロ圏の成長率を1~2%と 予測し、インフレ率は低下し、失業率はわずかな上昇にとどまると見ています。この問題は、金融政策が、ゴムひもを引っ張ってレンガをずらそうとするのに似ています。ある日突然、レンガを ぶつけられるまでは、中央銀行と経済全体は何も気付かないのです。はっきりしているのは、現在の業績予想が引き続き堅調であることから、業績悪化のリスクの兆候は見られないということです。

さらに、現在の利益率の記録的高水準が、利益低下のリスクを高めています。MSCIワールド・インデックスの予想営業利益率(EBIT マージン)は、2003年から2019年までの期間で平均13.3%、ピーク時15.2%だったのに対し、今年は16.7%とさらに上昇しています。需要超過により、企業はインフレ(値上げ)、 「シュリンクフレーション」(製品サイズの縮小)、「スキンプ フレーション」(サービスレベルの引き下げ)などを通じて、投入コストの上昇分以上を顧客に転嫁できるようになっているようです。

供給不足が解消されれば、あるいはさらに悪いことに供給過剰に転じれば、一般的な価格決定力は失われ、よりコモディティ化した企業が苦境に陥る一方で、真の価格決定力を有する企業が、より持ちこたえることができるようになるかもしれません。長期的には、金利コストの上昇、より強靭なサプライチェーン構築の必要性、企業が生み出す負の外部性(汚染など)への代償、さらには政府が財政再建を目指す中での法人税率の引き上げなど、利益に対するさらなる圧力が生じる可能性があります。­­

2008年から2009年にかけての世界金融危機は、興味深い先例を示しています。市場のピークは2007年10月でした。 市場下落の第一段階は、2008年夏までの8ヶ月間の15%下落で、予想利益が上昇したにもかかわらず、PERが下落しました。 この状況は、現在までの2022年の状況と明らかに類似しています。2008年後半になると、利益は急減、PERはさらに下落し、8 ヶ月後の2009年初めに市場の谷に到達することになりました。

ここから2022年~2023年に何が起ころうとも、2008年~2009年の二の舞にはならないでしょう。しかし市場の利益は、 現在の水準が高いことに加え、景気減速が予想されることから、明らかに脆弱な状況にあります。私たちは、継続的な売上と価格決定力を持つコンパウンダー企業に着目しているため、2008年~2009年や最近のコロナ危機の際(2020年前半)にも示されたように、私たちの投資先企業の利益は市場平均よりも強固に推移することになるでしょう。企業利益が今後の主要なリスクであることを考えると、すでに起こった大幅なPER低下の後では、コンパウンダー企業を保有することによって今後の利益に関するリスクを最小限に抑えることは、恐らく理にかなっていると言えるでしょう。 1

 
 

1 利払前・税引前利益

 
bruno.paulson
マネージング・ディレクター
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
 
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定義

スコープ1の排出量は、企業自身による直接的な排出量(例:石炭/ガス発電所、セメント窯、鉄鋼炉、自社トラック)。

スコープ2は、企業が購入する電力に含まれる排出量。これは、a)工場や生産現場がどの程度のエネルギーを消費するか、b)電力供給会社のエネルギー構成(再生可能エネルギーか化石燃料か)によって決まる。これは現在、多くの国で選択の問題になっている。

スコープ3は、間接排出(企業が管理できないもの)で、サプライチェーンに起因するもの(川上)、そして消費者が製品を使用する際に生ずるもの(川下)。

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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25億円超50億円までの部分に対して             0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
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