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2024年 アウトルック
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2023年12月20日

投資適格クレジットに投資することで、先行き不透明な時期において元本を確保しながら魅力的なインカム収入を獲得できる可能性

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2023年12月20日

投資適格クレジットに投資することで、先行き不透明な時期において元本を確保しながら魅力的なインカム収入を獲得できる可能性


2024年 アウトルック

投資適格クレジットに投資することで、先行き不透明な時期において元本を確保しながら魅力的なインカム収入を獲得できる可能性

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2023年12月20日

 
要旨
1

2024年には、景気後退リスクと元本確保が市場の注目点になると予想されます。各国中央銀行が利下げに踏み切った場合、投資適格クレジットに投資することでダウンサイド・リスクを軽減できる可能性があります。

2

企業は昨今コストを削減し流動性を高めており、2024年に向けて保守的なビジネスモデルを採用していると考えられます。したがって、先行き不透明な時期においても、高格付け債券は魅力的な資産となっています。

3

脱グローバル化の動き、構造的なインフレ圧力、量的引き締め(QT)、地政学的リスクの高まり、政府債務の増大などを背景に、世界情勢が大きく変化しています。こうした中で、2024年は投資の新時代の幕開けとなる可能性があります。

 
 

市場の状況

2024年に向けて、先行き不透明感が高まっています。リスク資産にとっての「強気相場」と「弱気相場」を見極めることが難しくなっています。私たちは「強気相場」が続く、との基本シナリオを維持しています。堅調な雇用市場、健全な家計のバランスシート、および歴史的に見て緩和的な財政政策などが、主要市場の下支え要因になると考えます。「弱気相場」入りする可能性は低いと考えます。景気は堅調さを維持しており、減速する可能性もありますが重要なのはタイミングであり、2024年上半期は景気が落ち込むにはまだ早いと見ています。

投資適格クレジットは2023年に利回りが上昇したことから、絶対値で見て魅力的な利回りを提供しています。また、仮に各国中央銀行が利下げに踏み切り、金融政策の正常化を進めた場合、投資適格クレジットはその恩恵を受ける可能性があります。各国中央銀行がインフレ対策として金融引き締めを行う中、2022年と2023年の大半にわたり、リスク・フリー・レートとクレジット・スプレッドは正の相関を示してきました。しかし、今後はこの相関関係が逆転し、負の相関になると予想されます。景気後退局面では、リスク資産のバリュエーションが低下する傾向があります。高クオリティのクレジットを通じて金利リスクを負うことにより、景気後退に伴うリスクを軽減することができると考えます。

政策金利が高止まりしている中で、資産価格のボラティリティが高まっています。2024年に入ってもこうした傾向が続くと予想されます。政府は大規模な債務を抱えており、金利負担も大きいことから、景気を下支えするための政策の選択肢も限られています。

投資行動・今後の方針

先行き不透明感が高まっているとみられる中、私たちは戦略内のリスクを軽減するため、満期の短い債券や、規制の厳しい業種、景気変動の影響を受けにくい業種を選好することで、ポートフォリオのクオリティを高めています。

相対的に良好な米国の経済状況を鑑み、欧州よりも米国で収益を上げている企業を選好します。米国の失業率は低く、個人消費は堅調であり、財政刺激策によって経済が支えられています。

私たちは金融機関の期限付き劣後債(ティア2債)のオーバーウェイトを維持しています。金融機関の劣後債は、非金融機関の債券と比べてバリュエーションが魅力的であると見ています。欧州では、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和の下で大量の債券を購入したこと、すなわちストック効果により、購入された発行体のバリュエーションは魅力的ではないと見ています。

私たちは、運用戦略においてデュレーション・リスクを拡大しています。金利はピークアウトした可能性があり、2024年にはクレジット・スプレッドと金利の関係が逆相関になる可能性があると考えています。クレジット・ポートフォリオのデュレーションを長期化させることで、元本割れリスクの軽減に努めます。

今後の注目点

インフレ:中央銀行が利下げを行い、金融緩和に転じる選択肢を手に入れるためには、インフレ率が目標値に戻ることが鍵になると考えます。サプライチェーンの混乱や、再生可能エネルギーへの移行、脱グローバル化などの影響でコストの高騰が続いているため、インフレ率が高止まりするリスクがあると見ています。

中国の成長政策:中国が成長を続けるためには、世界貿易が拡大する必要があります。私たちは、世界経済に大きな影響を及ぼす中国の動向を注視しており、中国の動向が企業の投資意欲を測る上で重要なシグナルになると考えています。

地政学的要因:コロナ禍の影響で世界的に緊張が高まり、先行き不透明感を反映して市場のボラティリティが上昇しました。金利が低下し、株式市場のボラティリティも低下すれば、投資適格クレジットの下支え要因になると考えます。

企業業績:2023年は先行き見通しが不透明な中、企業は保守的な戦略を採用し、M&Aや設備投資は限定的となりました。企業のリスク選好度が2024年に変化すれば、この状況にも変化が生じる可能性がありますが、市場の状況やM&A・設備投資の成否などに左右されると考えられます。私たちはいつも通り四半期決算の内容を注視し、方向性を変化させる必要があるか否かを精査することに努めます。

サステナビリティ:「正しい行い」を追求すれば、コストが増加することになるため、このトレードオフをうまく解決することが企業の重要な目標となります。2024年においても、すべての利害関係者の目標を達成することは引き続き困難になると考えられます。

需給環境:資金調達ニーズを満たすための新規供給と、高利回り環境下での需要のバランスが変化しています。こうした変化は、投資適格クレジットのスプレッドの方向性に影響を及ぼすと考えられます。

バリュエーション:2023年にはマクロ経済が堅調に推移した一方で、各国中央銀行の政策金利がターミナル・レート(政策金利の最終到達点)に近づいたため、スプレッドが縮小しました。スプレッドが長期平均に近い水準にある中で、現在のバリュエーションを踏まえると、「弱気相場」入りする可能性は低いと考えられます。私たちは、クレジット・スプレッドの縮小局面をリスク削減のタイミングと捉えています。

 
 
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高クオリティのクレジットはディフェンシブな特性を多く有しているため、経済の不透明感が高い2024年において、元本割れリスクを軽減しつつインカム収入を獲得できる資産クラスであると考えています。
 
 
richard.ford
投資適格クレジット・グローバル責任者兼ポートフォリオ・マネジャー
 
 

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