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グローバル・エクイティ・オブザーバー
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2021年4月6日

「即座の」エンゲージメント

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2021年4月6日

「即座の」エンゲージメント


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「即座の」エンゲージメント

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2021年4月6日

 
 

効果的なエンゲージメントは時間を要します。エンゲージメントから即座に得られる成果を求めることは、即座に得られるアルファを求めることと同じくらい無意味です。保有する企業に対して我々が着実で一貫した成長を求めることから分かるように、環境、社会、ガバナンス(ESG)問題へのアプローチにおいても、短期的な嗜好や単なる確認手続き(box-ticking)を満たすために紆余曲折するよりも、着実で一貫した改善を重視しています。

 
 

我々はチームとして20年以上にわたり、会社の経営陣と取締役会に対するエンゲージメントを実施してきました。近年は、投資先企業の最高経営幹部(いわゆるCから始まる役職陣)およびサステナビリティ担当者との相対の話し合いを重視し、より構造的にエンゲージメントを実施するようになっています。これらのエンゲージメントにより、特にパンデミック期間における企業の対応と優先順位に関して、有益な見識を得ることができました。また、経営陣のインセンティブにおける重要な領域についても更に体系化し、独自のPay X-Rayスコアリングによる枠組みを構築しました。これにより企業の給与計画を詳細に比較、議論することができるようになり、議決権行使の取り組みに手助けとなりました。2020年には、経営陣に支払われる報酬について30%の議案に反対票を投じました。こうした事例の大半が、経営陣を支持したISS(議決権行使における助言業務を行う会社)とは意見が異なるものとなりました。

私たちのエンゲージメントに対する取り組みは、長期保有かつ大株主であることによって支えられています。その結果、年次株主総会やIRイベントで公表されるニュースに対してあまり依存しなくなります。我々は演壇や報道機関がいるような場ではなく、企業とのプライベートなミーティングの場で最も厳しい質問を行います。正しい方法により正しい質問をすることで、我々が保有する銘柄に関する思慮深い考察が得られ、将来的なエンゲージメントの議題を推進することができると考えています。そうは言っても、2020年には株主提案の68%に私たちが賛成した事が示すように、私たちは経営陣に反対票を投じることを恐れてはいません。

リモート勤務により、運用会社と企業の双方がデジタルやビデオ会議によるエンゲージメントに慣れなければならなくなりました。ロックダウン中にも、概ね、企業は我々の要求に対して応答してくれることが分かりました。2020年に369回のミーティングを開催し、そのうち205回では特にESGのエンゲージメントが行われ、対象企業はファストファッションから半導体に致るまで、様々なトピック(脱炭素化、ダイバーシティ、データセキュリティからサプライチェーンに関する質問まで)に及びました。とはいえ、事態が収束に向かい、企業との対面によるミーティングが再び実施できるようになることを我々は心待ちにしています。

2020年10〜12月期における企業との議論においては、炭素排出目標、森林破壊、ダイバーシティ&インクルージョン、取締役会のリスク管理と安全性のトピックがありました。以下はその例となります。

  • レキット・ベンキーザー:2040年までに炭素排出をネットゼロにするとの公約がどのように達成できるかを精査しました。我々は同社のパーム油をめぐる方針と活動を前向きに評価しました。
  • プロクター・アンド・ギャンブル:同社と森林破壊について非常に詳細な議論を行いました。同社は多くの具体的なアクションを実施してきましたが、私たちは情報開示の改善を目的とした株主決議に賛成票を投じました。
  • バクスター・インターナショナル:過去の懸念を踏まえ、製品の安全性に焦点を当てた議論をしました。グローバル企業のなかで安全性において上位25%以内に入ることを目指し、検品作業を改善させたことにより製品クレームの大幅な削減を実現しました。また、同社のダイバーシティ&インクルージョンの施策についても調査し、男女の給与格差を開示するよう促しました。我々は同社に進展があると考えており、引き続き改善を観察します。
     

私たちが半年に一度発行しているEngageニュースレターをご覧いただければ、上記を含む、他のエンゲージメントについても詳細に理解を深めていただくことが可能です。

「誰の見解が重要か?」という疑問は、これまでにないほど重要なものになりました。究極的には、すべての利害関係者が重要と言えますが、最上位にあるのは顧客です。顧客に関連する重要な懸念点は、企業の経営陣の議題として重視されるべきです。その意味では、自社の方針や優先順位、価値観を明確にすることが重要です。クオリティが高く、炭素排出が少ない企業で構成される我々のグローバル・ポートフォリオにおいて、我々は特に、炭素削減またはネットゼロの炭素排出目標を達成するための企業の取り組みに対し注意を払っています。

また、我々は現実主義者でもあります。普遍的な問題には、進展を早めるために協調的な解決策が必要になる可能性があることを認識しています。気候変動サミット(One Planet Summit)におけるアセット・マネジャーの取り組み(長期投資のポートフォリオにおける気候関連のリスクと機会に対する理解を促進することを目的とする)をMSIMが2020年1月以来サポートしている事は、素晴らしい例です。2020年の国連PRI(責任投資原則)年次報告書ではMSIMは複数の評価基準における「A」、および上場株式に関するアクティブ・オーナーシップ項目(株主としてESG関連事項を企業に働きかける)とインコーポレーション項目(ESG要素を投資判断に反映する)の2つで「A+」のスコアが付与されました。これは我々にとっても喜ばしい結果です。

企業がコロナ危機からの脱却を目指すなか、我々は引き続き、厳しい質問を企業に投げかけていきます。その多くは、生活必需品にとってのプラスチック、ヘルスケアにとっての製品安全性、情報技術にとってのデータセキュリティなど企業やセクター固有ものですが、更にコロナ危機から得られる普遍的なテーマがあります:

  •  パンデミックからの主な教訓は何であったか?危機の結果として、企業はリスクに対する姿勢をどのように進化させたか?
  • 企業のサプライチェーンはパンデミック以前と同じか、または異なるか?従業員の健康と安全から資源調達に至るまで、サプライチェーンに対する責任が企業にあると見なされていることを認めているか?
  • 資本配分とバランスシートに係る決定は、今後どのように異なってくるか?
  • パンデミックのショックにより、報酬の決定はどのような影響を受けたか?取締役会は、増資、減配、または政府支援の引き受けを検討していくか?
  • 政府介入が拡大する新たな時代に、どのように対処していくか?潜在的な新規の税制は大きな影響を及ぼすのか?
  • リモート勤務が技術革新や製品の安全性に与える影響をどのように認識しているか?または、より厳しい経済状況下において、ジェンダーや人種のダイバーシティといったトピックを優先しているか?
  • 持続可能性に対する要求がますます高まっていることと、長期的な投下資本利益率とのバランスを、どのようにして量っているか?
     

世界的に、企業やファンドマネジャーの活動に関する透明性と情報開示の向上、および詳細なポートフォリオの報告を求める声が、業界団体や法制において高まりつつあります。我々はESGの長旅を航行していくにあたり、一時的に流行っているような確認手続き(tickboxery)を避け、その代わりに投資規律を維持し、有望な銘柄に着目し、妥当で意味のある長期的なエンゲージメントに焦点を当てることが利益をもたらすと考えています。

 
bruno.paulson
マネージング・ディレクター
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
laura.bottega
マネージング・ディレクター
International Equity Team
 
 
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 本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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重要事項
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1. 投資一任契約の概要
投資一任契約は、お客様の資産の運用に関し、お客様があらかじめ運用の基本方針を定めた上で、有価証券の価値等の分析に基づく投資判断のすべてを当社に一任し、当社がこれをお引き受けするものです。お客様は投資を行うのに必要な権限を当社に委任し、当社は委任された権限を行使するにあたっては、当社の投資判断に基づきこれを行い、お客様は個別の指示を行わないものとします。

2. 元本損失が生ずることとなるおそれ
受託資産の運用には、受託資産に組入れられた株式その他の有価証券等の価格変動リスク、株式その他の有価証券等の発行体の信用リスク及び株式その他有価証券等を売却あるいは取得する際に市場に十分な需要や供給がないため、十分な流動性の下で取引を行えない、または取引が不可能となる流動性リスク等による影響を受けます。また、外貨建て資産に投資するため為替変動リスクの影響を受けます。受託資産の運用による損益はすべてお客様に帰属し、元本が保証されているものではなく、元本損失が生ずることとなるおそれがあります。

3. 投資一任契約締結に際しての留意事項
受託資産の運用は、個別の受託資産ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、投資一任契約を締結する際には、契約締結前交付書面をよくご覧ください。

リスクについて
当運用戦略は主に海外の有価証券等を投資対象とするため、当該有価証券の価格の下落により投資元本を割り込むことがあります。また、外貨建ての資産は為替変動による影響も受けます。従って、お客様の投資元本は保証されているものではなく、運用の結果生じた利益及び損失はお客様に帰属します。投資する可能性のある金融商品等には、価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動リスク、デリバティブ取引に伴うリスク、カントリーリスク等のリスクを伴います。

費用について
投資一任契約に基づいて直接投資をする場合の費用
投資顧問料率
25億円までの部分に対して          0.864%(税抜 0.800%)
25億円超50億円までの部分に対して             0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して     0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
※ 上記以外に投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の報酬体系は上記と異なる場合があります
※ 契約資産の性質・運用方法等により、お客様と協議の上、最低受託額、受託額及び投資顧問料率を別途取り決めることがあります
※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
また、投資一任契約に基づく組入資産の売買手数料、保管費用等をお客様にご負担いただきます。(当該手数料等につきましては、運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません。)

最低受託金額
効率的な運用を実現するという観点から、個別口座の最低受託金額を50億円と設定しております。
《ご注意》
上記に記載している費用項目につきましては、一般的な投資一任契約を想定しております。受託資産の運用に係るリスクや費用については、投資一任契約を締結する際に、事前に契約締結前書面をご覧ください。
投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の費用
組入れ予定の投資信託は、弊社がお客様と締結する投資一任契約に基づいて投資を行うための専用ファンドであり、当該目的での利用に限定しております。

投資顧問料率
一律0.81%(税抜0.75%)
組入れる投資信託で弊社が運用報酬を受領する場合、上記料率から控除して投資顧問報酬額を算出します。

•   組入れ予定の弊社設定投資信託から弊社が受領する運用報酬はございません。したがって、投資顧問報酬額は上記の年率0.75%(税抜)で計算されます。
•   表記の料率は年率表示です。
•   契約資産の性質・運用手法等により、お客様と協議の上、別途報酬額を取り決める場合があります。
•   税込料率は法律に定められる税率が適用されます。

投資信託にかかる費用
信託報酬                        年率0.054%(税抜 年率0.05%)内、委託者報酬(運用報酬) ありません
信託財産留保(相当)額    基準価額に0.20%を乗じた額(解約時)

•   販売手数料はございません
•   当該投資信託に関する以下のその他の費用を、投資信託財産で間接的にご負担いただきます

- 組入有価証券を売買する際に生じる取引費用
- 外貨建資産の保管費用
- 信託事務の処理に要する諸費用
- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
- 投資信託振替制度に係る手数料および費用等
(上記その他の費用については、当該投資信託の運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません)

上記投資顧問報酬(0.75%)と上記投資信託の信託報酬(0.05%)の合計は、0.80%(年率、税抜)となります。