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2023年12月5日

ダイヤモンドの原石を見つける?金融セクターでクオリティ企業探す

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2023年12月5日

ダイヤモンドの原石を見つける?金融セクターでクオリティ企業探す


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ダイヤモンドの原石を見つける?金融セクターでクオリティ企業探す

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2023年12月5日

 
 

市場の多くの人々にとって、金融セクターにおけるクオリティ運用という表現は、矛盾したものに見えるかもしれません。それらの人々は、「金融セクターはバリュー・セクターであり、概して株価は低迷し、成長の勢いが無い」と言うでしょう。金融セクターの一部は、確かにそうです。しかし、金融セクターの中にも厳選された高クオリティ企業は存在しており、私たちはお客様の利益のために、それらを選別できると信じています。しかしながら、この選別作業は麦と籾殻を分けるような厳格なプロセスに依存しています。

 
 
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負債が少ない金融のサブセクター、例えば取引所や決済サービス、ニッチな保険会社などで、有力な無形資産を持つ経営に優れた金融セクター企業は、高いリターン、適度な景気循環性、継続的な売上という、私たちが求める組み合わせを達成することが可能です。
 
 
 

最初に、金融セクターの企業のクオリティが、一般的に低いとされる理由から始めましょう。重要な点は、金融セクターは、金利や、株式・クレジット市場の見通しといったマクロ経済要因に依存していることです。つまり金融セクター企業の経営上の命運は、自分でコントロールできないことが多いのです。銀行はその典型例です。最近の銀行セクターの収益増加について、見てみましょう。多くの銀行銘柄の場合、収益増加は、金利の上昇によるものです。金利の方向性を予測するのは、困難であり、経営陣が影響を及ぼすことは不可能です。また、金融セクター企業の多くは景気循環性が高く、なぜならばマクロ要因(経済全体の状態や資産市場の健全性など)によって、運用資産が左右されることが多いためです。世界金融危機から前例を探すまでもなく、2023年初頭の金利上昇に直面した米国の中小の地方銀行の破綻は、2008~09年以来で、最大の銀行破綻を引き起こしました。このような例から金融セクターは、マクロ経済とファンダメンタルズが組み合わさった多くの株価変動要因を持つ、比較的不透明なビジネスモデルといえます。

投下資本利益率が持続的に高いことは、私たちの「クオリティ」の定義の特徴のひとつです。しかし、金融セクターは広範にわたり、多大な負債に依存したビジネスモデルが多く、これが投下資本利益率を引き下げる傾向があるため、私たちのクオリティ・グレードに加えるには、苦戦を強いられます。私たちが20年以上にわたって定義してきたクオリティ・カンパニーとは、(とりわけ)負債に頼らずに投下資本利益率が持続的に高く、バランスシートが健全で、成長資金のほとんどを内部で発生するキャッシュフローによって調達できる企業です。例えば銀行は、このようなキャッシュフローを一般的に保有しないか、または保有出来ません。一般的な銀行の「負債無しの資産利益率(つまりROE)」は、1%未満です。なお通常は、資本の10倍以上の負債があります。バランスシートに対する要請は、もちろん規制当局によって決定されるもので、その変化を予測することは困難であり、規制当局の介入やそれらのバランスシートや収益への影響は、突発的に発生します。その結果、純粋なクオリティ・ポートフォリオにおいて、銀行銘柄を保有することはできません。

 
 
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金融セクターにおいて、ポートフォリオの最適銘柄は、相対的に数は少ないですが、確信度の高いポートフォリオを運用する、十分なリソースを備えたチームにとっては、さほど障害にはなりません。
 
 
 

銀行銘柄は、私たちの高クオリティな基準を満たしていませんが、他の金融セクター企業の中に、選りすぐりの優良企業はあります。これらの銘柄は、私たちのポートフォリオの優れた候補銘柄になると考えられます。負債が少ない金融のサブセクター、例えば取引所や決済サービス、ニッチな保険会社などで、有力な無形資産を持つ経営に優れた金融セクターの企業は、高いリターン、適度な景気循環性、継続的な売上という、私たちがクオリティに求める組み合わせを達成することが可能です。

インデックス・ウエイトに左右されない、確信度の高いポート フォリオを運用する、十分なリソースを備えたチームにとっては、 金融セクターの中でポートフォリオの最適銘柄が相対的に 少ないことは、さほど障害になりません。また、株価とその本源で あるフランチャイズの価値との間には、周期的に乖離が生じる ため、ボトムアップ・アプローチによるストック・ピッカーにとって は、好機が訪れることがあります。確かに、これらの銘柄を発掘 するには、労力と専門知識が必要です。割安な株価評価は、投資 の好機かバランスシートの劣化か、どちらかを示しています。 私たちのチームでは、Anton Kryachok、Bruno Paulson、Alex Gabriele、Richard Perrott、そして私Isabelle Mastが、金融 セクターを担当しており、私たちは、お客様に代わって、有望な 投資先を見極めてきました。

ポートフォリオに比較的新しく加わった銘柄例は、理論的な説明よりも、金融セクターにおける、私たちの銘柄選択プロセスの優位性を際立たせてくれるものです。

米国の保険ブローカー

金融セクターの中でも、保険ブローカーは、私たちにとって有望な業種です。この業界は負債が少なく、幾つかの大企業が大きく シェアを抑え、SME(中小企業)を顧客とする中小の保険 ブローカーを再編成する好機が存在しています。保険ブローカーは、 顧客が適正な価格で保険を購入できるようサポートし、また、 リスク管理、法令要件、資本管理などの分野でアドバイスを 提供します。 私たちは保険ブローカーを、気候変動、サイバー セキュリティ・リスク、訴訟の判決増加などの保険料上昇の構造的要因に支えられた、収益成長の見通しを持つ多角的プロフェッ ショナル・サービス・プロバイダーであると考えています。同業 他社ではなく、この銘柄を選定した理由は、2つあります。第一に、統合された経営プラットフォームを導入し、EBITDA利益率の大幅な拡大(2013年の20%未満から2022年には32%近くまで拡大)と、サイロ化した部門間の垣根を取り払い、顧客サービスの向上を実現しています。第二に我々の考えでは、株主の利益のために 賢明な資金配分の実績を持つ、優秀な経営陣がいることです。 要するに、構造的に高収益体質か、または高収益体質への改善途上にあり、マクロ動向への連動がごく僅かで、株主利益の増加を 志向する経営陣を擁する負債が少ない企業は、私たちのクオ リティ・ポートフォリオに最適です。さらに重要なことは、投資の 際に、企業の本源的価値から、大幅に下回る株価だったことです。

二つの主要取引所

もう一つの好例として、2つの取引所(一つは米国が拠点、もう一つは欧州が拠点)を挙げたいと思います。この2つの銘柄は投下資本が控えめで投下資本利益率が高く、売上が継続的で、緩やかな景気循環性で、魅力的なバリュエーションだったことから、グローバル・ポートフォリオに組み入れてきました。収益源が多様化しているうえ、ネットワーク効果、ブランド、真似できないソフトウェアが組み合わさった高い参入障壁と賢明な経営陣により、2つの銘柄は、同業他社よりも際立たっています。

 

米国に拠点を置くペイメント企業

高い参入障壁と、強力な無形資産は、取引所の収益性と成長見通しをプロテクトするのに役立っています。これらの要素は、私たちがグローバル・ポートフォリオに組み入れた、米国のペイメント企業に魅力を感じた理由の一つでもあります。この大手電子ウォレット・プロバイダーは、ユーザー数の継続的な増加と加盟店の拡大を誇っており、消費者と加盟店双方に、プラスのフライホイール効果(持続的成長)が発生しています。そこでは、ネットワークの拡大と機能の追加により、消費者にとっても加盟店にとっても更に会社の価値を高めています。ペイメント業界は、私たちにとって新しい分野ではありません。私たちは2010年以来、世界有数のグローバル・プロバイダーの株式を保有しており、この銘柄はグローバル・ポートフォリオのトップ10に入っています。

通常、生活必需品、情報技術、ヘルスケアの各セクターにおいて、質の高いコンパウンダー(利益を増幅できる高クオリティ企業)を最も多く見つけますが、ボトムアップ・アプローチにより、他のセクターでも、ニッチなコンパウダーを見極めることができます。

金融セクターはその好例であり、ポートフォリオに占める金融セクターへの投資比率は、時間の経過とともに増えていま­ITセクターから金融セクターにシフトしたことも確かに寄与しています。しかし、さらに重要な点は、私たちのポートフォリオ運用チームが、投資の専門知識の幅広さから、ピーター・リンチの言葉を借りれば、多くの石をひっくり返し、ダイヤモンドの原石を見つけて、ポートフォリオに加えた結果といえるでしょう。

 
isabelle.mast
エグゼクティブ・ディレクター
インターナショナル・エクイティ運用チーム
 
 
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本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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受託資産の運用は、個別の受託資産ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、投資一任契約を締結する際には、契約締結前交付書面をよくご覧ください。

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25億円までの部分に対して          0.864%(税抜 0.800%)
25億円超50億円までの部分に対して             0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100億円までの部分に対して           0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して     0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
※ 上記以外に投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の報酬体系は上記と異なる場合があります
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※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
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