フラッシュ・レポート
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2019年5月27日
中国の認めるべき功績は認める
 

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中国の認めるべき功績は認める

中国の認めるべき功績は認める

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2019年5月27日

 
 

世界的にまずまずの国内総生産(GDP)成長率が維持され、低金利状態が続き、米中貿易の緊張が緩和されるとの期待から(本レポート執筆時点)、株式市場はここ数カ月上昇基調にありますが、今が世界経済の主なテールリスクの一つである中国企業の債務問題について説明するよい機会だと考えています。

セントルイス地区連銀によると、中国の民間セクターの対GDP債務比率は、2008年第4四半期から2017年第1四半期の間に、115%から207%に上昇しました1。国際通貨基金(IMF)は2018年1月の調査報告書で、「世界各国の経験から、このような急成長を維持することはできず、通常、金融危機または経済成長の急減速に陥る」2と述べており、我々の考えと一致しています。

中国政府はこうしたリスクを認識していると見受けられ、2017年第1四半期に貸出の伸びを抑え始めました。対GDP債務比率はその後緩やかに低下しました。特に一般的に影の銀行(シャドーバンキング)システムと呼ばれる貸出供給部分の年間供給額はGDPの5~10%を占めていましたが、2018年半ばには実質的にゼロまたはマイナスまで低下しました3。中国経済は貸出供給に依存していることから、このことがGDP成長率の減速につながりました。しかし、中国政府は過去数カ月間にGDP成長率の減速を下支えするために政策を転換しているようです。影の銀行システムの引き締めが続く一方で、正式な銀行システムは貸出供給に踏みきりました。このことはとりわけ、預金準備率の引き下げに顕著に表れており、この貸出は影の銀行システムにかつて依存していた民間中小企業に対して供給されています。

不良債権も積み上がっている中、このように貸出を増やす政策に戻ることで、中国が深刻な金融危機に見舞われる懸念が浮上しています。特に、かつては中小企業に貸出を行っていなかった銀行が、リスクの高い中小企業への貸出を増やしており、とても安心できる状況とは言えません。

 
 

中国政府がGDP成長率を高く維持する手段として貸出をどこまで増やすのか、対GDP債務比率が再び急上昇するのか、予想するのは困難です。しかしながら、中国政府は金融システムの健全化に取り組んでおり、監督が大幅に強化されるなどの進展が見られます。中国銀行業監督管理委員会(CBRC)は2017~2018年に合計15億人民元の罰金を科し、2016年までの約1億人民元から大幅に増加しました。このように監督が厳格化されたことで、ずさんな会計処理が徐々に減っています。例えば、危うげな加工を施して、銀行はかつて融資を投資に日常的に分類していましたが、これは当初、預貸率と資本要件を逃れるための規制対策でした。ここ最近は不良債権額を過小に報告するためにこの手法が用いられていましたが、 現在はCBRCが取り締まっています4。また、返済が90日を超えて延滞している不良債権を稼働資産として認める規定が廃止されました。これらの措置、およびその他の措置により、中国の銀行システム(特に中小の脆弱な銀行)のバランスシートの質が改善されるはずです。どれだけの規模でいかに速く改善に成功するかは、不良債権市場の回復と資産管理会社(中国の国有不良債権処理機関)の規模拡大に左右されます。

以上の通り、中国が金融危機に陥るテールリスクの低下を示す兆しがいくつか見られます。とは言え、債務は依然としてかつてなく高水準にあり、高いGDP成長率を今後達成しなければならないという圧力が、中長期的に債務を削減する必要性に勝る可能性があります。米中貿易交渉も影響を及ぼします。新たな合意に至らなければ、中国は短期的にGDP成長を下支えするために一段の景気刺激策を講じ、長期的にはリスクが高まるでしょう。

 
 
 
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金融危機に見舞われた場合でも、クオリティの高いヘルスケア企業と 生活必需品企業は耐性に優れています
 
 

当運用戦略のポートフォリオは、売上ベースで新興国市場をオーバーウェイトしています。投資先企業の売上の推定31%を新興国市場が占めており(市場全体では22%)、中国のみでも約6%(市場全体では6.0~6.7%)を占めています5。生活必需品およびヘルスケアに重点的に投資しており、これらのセクターは中国経済の成長鈍化と金融危機のどちらのリスクからも影響をあまり受けません。中国のGDP成長率が鈍化した場合でも、これらのセクターは反復的に売上を生み、価格決定力が高いため、市場全体に比べて利益が格段に維持される傾向にあります。金融危機に見舞われた場合でも、これらのセクターの債務比率は低いため、耐性に優れています。当運用戦略は、新興国市場(特に中国)の長期成長見通しに投資しつつ、元本保全を重視した優れた手法を提供するよう努めています。

 
 

1 出所:https://fred.stlouisfed.org/series/QCNPAM770A

2 出所:https://www.imf.org/~/media/Files/Publications/WP/2018/wp1802.ashx

3 出所:影の銀行システムにはさまざまな定義と算出方法があります。当社は、

影の銀行の計算に、中国人民銀行の公表数値「社会融資総量」を用いています。

4 出所:UBS、2019年4月現在

5 出所:モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント、2019年4月30日現在

 
william.lock
 
インターナショナル・エクイティ運用チーム責任者
 
bruno.paulson
 
マネージング・ディレクター
 
dirk.hoffmannbecking
 
エグゼクティブ・ディレクター
 
 

 本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。

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- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
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