フラッシュ・レポート
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2018年10月2日
新興国市場はまたふらつくのか?
 

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新興国市場はまたふらつくのか?

新興国市場はまたふらつくのか?

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2018年10月2日

 
 
世界銀行によると、世界経済は2010年から2017年の間に14兆ドルの成長を遂げました1。北米が4兆4,000億ドル、欧州が5,000億ドルの成長となった一方で、新興国市場が成長の大部分を占めました。最も寄与したのは中国(6兆1,000億ドル)でした。インド(9,000億ドル)、韓国(4,000億ドル)、インドネシア(2,600億ドル)も大きく寄与し、ドイツ(2,600億ドル)などを上回りました。
 
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新興国市場が後退するのは今回が初めてではなく、今後も起こりうるでしょう
 

市場では夏に、新興国が成長を牽引するというこれまでのトレンドの持続に対して自信が失われたように見えます。トルコ・リラは年初から8月末までに43%下落し、アルゼンチン・ペソはこれを上回る下落となりました。中国の主要株価指標は年初来18%下落し、「ドクター・コッパー(景気の先行指標とされる銅価格のことを意味する)」も20%近く下落しました2

この急落には二つの側面があります。トルコやアルゼンチンなどの巨額の資本赤字と貿易赤字を抱える国が、多額のドル建て債務、原油価格の上昇、不適切な政策対応が組み合わさり、厳しい状況に置かれています。一方、中国などの巨額の貿易黒字を抱える国が、米国の貿易政策の根本的な転換に伴い、圧力にさらされています。

当戦略はこれらの課題の影響を予想できると主張するつもりはなく、ボトムアップによるアプローチを取ることに変わりありません。しかし、間接的であるにしろ、当戦略のポートフォリオの新興国市場に対するエクスポージャーが大きいことから、新興国市場にとってのリスクを検討すべきであり、これらの課題を踏まえてポートフォリオを検証しました。

新興国市場が後退するのは今回が初めてではなく、今後も起こりうるでしょう。前回は2013年に後退しましたが、当戦略は現在ファンダメンタルズに注目しています。元本の毀損リスクを回避するには、主に、価格決定力、短期的な動きではなく長期的構造成長トレンド、継続的な売上、高い投下資本利益率の維持、バリュエーションが重要であると考えています。

 
 
  • 価格決定力が非常に重要。現地通貨が急落する中、輸入原材料価格が急上昇する可能性があります。ブランド力、ネットワーク、イノベーションなどにより価格決定力を維持できる企業は、短期的に販売量の減少を経験するものの、原材料費の上昇を顧客に転嫁することができます。しかし、価格決定力がなければ、原材料費の上昇は直接利益に響き、需要減少による影響を大きく受けます。
  • 成長の内容も重要。生活必需品など多くのセクターで、先進国市場の成長が飽和水準に達し、金融危機からの回復が停滞する中で、同市場の成長が鈍化しています。このため、成長見込みは、中国、インド、その他のアジア諸国を中心とした新興国市場の成長に大きく左右されます。アジア諸国を見てみると、過去数年間に、(1)輸出向け製造業の成長、(2)インフラ投資および住宅関連の成長、(3)個人消費の成長という、3つの成長要因が存在します。新興国市場の成長が一時的に鈍化したとしても、先進国市場の消費習慣に追いつこうという新興国市場の消費者の基調となる構造的なトレンドに変化は見られないでしょう。当戦略のポートフォリオのエクスポージャーは、個人消費のウェイトが非常に高く、インフラおよび輸出向け製造業のウェイトはあったとしても非常に低くなっています。
  • 継続的な売上により高い投下資本利益率を持続することは、景気後退局面で最も重要であり、なぜならば高水準のフリーキャッシュフローを持続的に創出することができるからです。これにより、需要が減少している時期においても、企業は投資を継続することができます。これらの企業は配当と事業投資の双方をまかなえる資金を確保しているからです。厳しい時期においても投資することができれば、市場におけるポジションは長期的に強化され、将来の利益率とリターンの上昇につながります。
  • 割高な投資を避ける。安全余裕度(価格下落耐久力)がすでにバリュエーションに織り込まれていない限り、通常、成長鈍化は株価の下落をもたらします。バリュエーションは当戦略の運用プロセスにおいて引き続き重要な要素であり、市場で一部見られる「どのような価格でもクオリティ銘柄に投資する」アプローチに対して慎重な見方をしています。

当戦略は、(1)価格決定力を有し、(2)景気減速局面においても、持続的な高い投下資本利益率によってイノベーションと投資が出来る、(3)割安な、クオリティの高い銘柄を選好します。こうしたアプローチを取ることで、当戦略のポートフォリオが過去に示した下値抵抗力が、株式市場下落時に発揮されて安心感を与えてくれると考えます。

 
 

1 出所 : http://wdi.worldbank.org/table/4.2#
2 すべてのデータは、2018年1月1日から8月31日を期間としています。

 

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、 モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したもので す。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。 本書はグローバル・フランチャイズ運用戦略に関する情報提供を目的として作成した ものであり、法令に基づく開示書類ではありません。本書は信頼できると判断した情 報を元に、十分な注意を払い作成しておりますが、その正確性や完全性をお約束す るものではありません。本書の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更さ れることもあります。本書中のグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果 等を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定の銘柄及び市場等全般 の推奨や価格の上昇又は下落を示唆するものではありません。

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- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
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CRC 2253989 Exp. 09/28/2019