フラッシュ・レポート
EDGE:機械学習
 
 

フラッシュ・レポート

EDGE:機械学習

 

機械学習とは、コンピュータシステムに学習させることで、大量のデータから有効な考察を発見し、それを新しい状況に応用・活用する手法です。人間の裁量判断による間違いをプロセスから排除することにより、医療診断や自動車運転といった多くの分野で、機械学習が大変革をもたらす可能性があります。この技術やコンセプトは1950年代からありましたが、近年、収集データの爆発的な増加がコンピュータ能力の向上と相まって、その革新的技術のレベルが飛躍的に進化しています。

 

機械学習とは、収集された大量のデータを科学者がコンピュータに、学習させることによって、新しい状況に対処できるようにするプロセスのことです。コンピュータは、与えられたデータセットのインプットとアウトプットの間の、複雑なパターンと法則を見つけ出すことによって「学習」します。コンピュータが見つけ出した法則を、新しいデータに適用することで、コンピュータは有効な予測を行います。

 

たとえば、コンピュータが何百万もの顔写真を学習した後、顔写真とそれ以外の写真の両方を新たに与えられた場合、どれが顔写真であるかを判別することができます。ここで、従来のコンピュータ処理との重大な違いは、コンピュータは事前にプログラミングされているわけではなく、データを使って学習しているという点です。これには膨大な数の事例が必要となります。

 

機械学習でよく使われる手法の一つが、脳のニューラルネットワーク(神経回路網)を応用したものです。このコンピュータのアルゴリズムは、自己学習機能を持つ個々の神経細胞(ニューロン)のようなもので構成されていて、インプットされたデータがこのアルゴリズムを通ることにより、正しいアウトプットが導き出されるというものです。ここでニューラルネットワークが行っていることは、データを説明するために最適な「ルール」を作り出すということです。コンピュータはその「ルール」を新しい状況に応用することで、有効な予測を行うことができるようになります。往々にして機械学習のプロセスはブラックボックスであり、そこで実際に行われているメソッドを人間が正確に確認することはできません。そこで、システムの予測を確実なものにするために、膨大な試行錯誤が必要になります。

 

人工知能(AI)は、新しい産業を創出するだけでなく、既存の産業の効率性を高める可能性を秘めています。

 

機械学習には計り知れないほどの可能性があります。人工知能(AI)は、新しい産業を創出するだけでなく、既存の産業の効率性を高める可能性を秘めています。機械学習を応用することが最も研究されている分野の一つに、医療への応用があります。この分野では、表情や筆跡のパターンを認識させるのではなく、医学の研究者がコンピュータ科学者と協力して、ガンなどの病気を発見するために医療画像のパターンを認識するよう、コンピュータに学習させます。この分野の初期研究では、ガンの発見において病理学者や放射線科医よりもアルゴリズムの方が優れているという、研究結果が報告されています。

 

自動運転車もまた、機械学習に関連した動きが活発な分野の一つです。現在のところ、路上事故のほとんど、実に90%以上が運転手のミスによるものです。機械学習は、人的ミスを取り除くことで、交通事故死者数を確実に減少させるでしょう。自動運転車の開発には、何十億マイルもの距離の運転から収集したデータを学習させることが必要です。このデータには、道路画像から、自動車の位置を示すGPS信号、そして運転手の判断といった、運転に関するすべての情報が含まれます。一旦学習した後も、自動運転車はいくつものセンサーを使用し、周囲のデータを常に収集し続け、そのデータや学習による知見を活用することで、環境の制約を考慮したうえでの最適な運転方法を決定します。

 

もちろん、これらを実現する上で障害となりうる、数多くの技術的、制度的、社会的要因も存在します。第一に、コンピュータの学習に使用できるデータが十分ではなく、正しい結論を導き出すレベルにまで精度を上げられない可能性があります。たとえば、めったに起こらない災害の場合には、サンプル数が不足し、コンピュータが学習するために十分な数の事例を収集できないかもしれません。第二に、コンピュータが正しい知見を持っていることを十分に検証することは、困難だと思われることです。これは、コンピュータの意思決定が「ブラックボックス」的な性質であることに起因しています。生命に関わる事象であるほど、この検証の必要性は高まります。仮に、翻訳アプリケーションが翻訳ミスを出したとしても、自動運転車が停止標識を見逃すことに比べれば、それほど問題にはなりません。第三に、規制当局や政府関係者が、革新的技術に不信感を抱く可能性があることです。特に、すでに規制が存在する製薬や運輸等の分野では、既存企業が、新規参入者の参入コストを増大させるための規制や保護政策の施行を求める可能性があります。そして最後に、生活に関連する特定分野では、ヒトが機械学習の導入を受け入れない可能性があります。これは単に、人間の医者による治療を選択したり、自動車運転でコンピュータではなく自分自身の判断を信頼したりするのは、ヒトの権利と言えるのかもしれません。

しかし、革新的技術が十分に検証され、導入されてくるにつれて、そのような不安も解消されていくでしょう。その一例が、次世代のオンライン翻訳です。グーグルは、数百万にもおよぶ翻訳例を学習に利用できたため、2016年に翻訳アプリケションをニューラルネットワーク式のものに変更しました。その一方で、人々の安全により影響を与える可能性のある場合においては、注意深く時間をかけた導入が行われています。たとえば、自動運転車はすでに存在していますが、実際に路上で運転手のいない自動車の走行を見かけるようになるには、安全性の確保に向けた検証が今後4 ~5年は必要だと思われます。医学的な応用についても、それより長くはないにせよ、同じくらいの時間が必要です。技術的に可能であるとしたら、社会が究極的に求めるのは、事故率の低下と診断ミスの減少です。これは、アルゴリズム関連産業の道筋は、簡単なものではないものの、それを必要とする潜在的需要が非常に高いということを意味しています

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 


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