フラッシュ・レポート
日本企業に投資機会は存在するのか?
 
 

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日本企業に投資機会は存在するのか?

 

今年5月にエマニュエル・マクロン氏が仏大統領選で勝利し、翌月の国民議会選挙でも同氏が率いる新党が勝利した後、市場は欧州全般に対して非常に強気なスタンスをとってきたことがうかがえます。「二速度のユーロ圏(高成長のドイツ等と低成長の周辺国)」において、景気回復およびユーロ通貨復活に対する期待で熱気を帯びています。MSCIヨーロッパ・インデックス(英国を除く)における12カ月先予想利益は、2016年10月以降17%上昇しており、インデックス自体は同期間に20%超上昇しています。一方、世界の別の地域に目を向けると、外国人投資家の参加がほぼ見られないながらも、日本の株式市場も大幅に回復し、MSCIジャパン・インデックスの12カ月先予想利益は過去12カ月間に18%上昇し、インデックス自体は25%上昇しました1。しかし、このように数値上は似ているものの、欧州と日本のトレンドには大きな違いがあります。

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MSCIワールド・インデックスにおける12カ月先予想利益ベースPER(株価収益率)は16.8倍、米国は18.2倍となっています。一方、英国を除く欧州は15.5倍、日本は14.7倍で、グローバル投資家にとって魅力的な水準にあると言えます1
 

欧州の予想利益増加(前年比)を牽引したのは、金融、一般消費財・サービス、資本財サービス、素材の各セクターで、これらで伸びの半分以上を占めました。一方、日本では、資本財サービス、一般消費財・サービス、情報技術が伸びの90%を占めました2。つまり欧州の利益見通しは、商品需要の景気循環的な回復および金利上昇期待に大きく左右されるのに対し、日本では円安による製品需要の回復および利益率の大幅な改善が追い風になるということです。

MSCIワールド・インデックスにおける12カ月先予想利益ベースPER(株価収益率)は16.8倍、米国は18.2倍となっています。一方、英国を除く欧州は15.5倍、日本は14.7倍で、グローバル投資家にとって魅力的な水準にあると言えます1。しかし、セクター配分を勘案すると、欧州と日本の間でPERの差が一段と広がっている点には留意する必要があります1。日本ではウェイトが格段に低い生活必需品とヘルスケアを除けば、ほとんどのセクターのPERは欧州を下回っており、特に資本財サービスでこれが顕著です。

先ごろの安倍晋三首相の再選後、日本は従来の政党が議会の過半数を占めるG7の中でも数少ない国となりました。ユーロ圏を見てみると、フランスの大統領と与党が成果を問われるのはこれからで、ドイツでは連立政権の樹立が難航し、イタリアでは2018年に総選挙を控えています。さらに、英国は欧州連合(EU)からの離脱に苦しみ、米国は新大統領の手法にどのように付き合っていくのかを模索している状況です。このため、政治環境が「従来通り」であるG7諸国は、日本とカナダのみとなっています。

我々は日本に対してしばしば懐疑的な見方をしてきました。その主な理由として、日本企業の経営陣がどのように資本配分を決定するかについて、多くの場合予測が困難であることが挙げられます。日本の上場企業の投下資本利益率は依然として世界の約半分の水準にとどまっています。その理由は様々ですが、主に、割高な買収(買収企業の専門知識が不足している分野での買収が散見される)、経済合理性が無い、あるいは希薄な大量の株式持ち合い、必要以上に貯め込まれた手元資金、価格決定力の弱さ、非効率に対する寛容さ、ガバナンスの弱さが挙げられます。

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日本の高クオリティ企業は先進国で最も割高であり、我々が保有するポートフォリオ内の高クオリティ企業よりも50%程度割高な水準にあります
 

我々は常に、ファンダメンタルズに基づくボトムアップ分析を中心にした投資アプローチを採っていますが、日本政府のコーポレート・ガバナンス改革にも注目しており、株式市場において投下資本利益率改善の兆しが一部見られます。現在のところ、我々はポートフォリオに日本企業を組み入れていません。率直に言って日本で高クオリティ企業を発掘できるのは稀であり、投下資本利益率、粗利益率、バランスシートの健全性の観点から我々の基準を満たしている企業は、日本市場全体のわずか12%にすぎません。これはフランチャイズ(優位性)や経営陣のクオリティを勘案する前の段階であり、その後に残る企業はごくわずかというのが実状です。さらに、こうした希少株は割高です。日本の高クオリティ企業は先進国で最も割高であり、フリー・キャッシュフロー利回りの中央値は3.3%1となっています。我々のポートフォリオに組み入れている極めてクオリティの高い企業であっても、フリー・キャッシュフロー利回りはインデックスと比較してわずか10%の割高にとどまりますが、日本の高クオリティ企業は我々のポートフォリオの高クオリティ企業よりもさらに50%程度割高な水準にあります。よって現在我々は、日本企業についてはバリュエーションが適正水準になるとともに、経営陣が株主と投下資本利益率をより重視するようになるのを待っている状況です。

 
マネージング・ディレクター
 
 
インターナショナル・エクイティ運用チーム責任者
 
 
エグゼクティブ・ディレクター
 
 
 

出所:ファクトセット 2017年10月31日現在

出所:ファクトセット、MSCI 2017年10月31日現在。ブルームバーグ

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費用について
投資一任契約に基づいて直接投資をする場合の費用
投資顧問料率
25億円までの部分に対して 0.864%(税抜 0.800%)
25億円超50 億円までの部分に対して 0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100 億円までの部分に対して 0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して 0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
※ 上記以外に投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の報酬体系は上記と異なる場合があります
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※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
また、投資一任契約に基づく組入資産の売買手数料、保管費用等をお客様にご負担いただきます。(当該手数料等につきましては、運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません。)

最低受託金額
効率的な運用を実現するという観点から、個別口座の最低受託金額を50億円と設定しております。

《ご注意》
上記に記載している費用項目につきましては、一般的な投資一任契約を想定しております。受託資産の運用に係るリスクや費用については、投資一任契約を締結する際に、事前に契約締結前書面をご覧ください。

投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の費用
組入れ予定の投資信託は、弊社がお客様と締結する投資一任契約に基づいて投資を行うための専用ファンドであり、当該目的での利用に限定しております。

投資顧問料率

一律0.81%(税抜0.75%)

組入れる投資信託で弊社が運用報酬を受領する場合、上記料率から控除して投資顧問報酬額を算出します。
• 組入れ予定の弊社設定投資信託から弊社が受領する運用報酬はございません。したがって、投資顧問報酬額は上記の年率0.75%(税抜)で計算されます。
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投資信託にかかる費用
信託報酬 年率0.054%(税抜 年率0.05%)内、委託者報酬(運用報酬) ありません
信託財産留保(相当)額 基準価額に0.20%を乗じた額(解約時)
• 販売手数料はございません
• 当該投資信託に関する以下のその他の費用を、投資信託財産で間接的にご負担いただきます
- 組入有価証券を売買する際に生じる取引費用
- 外貨建資産の保管費用
- 信託事務の処理に要する諸費用
- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
- 投資信託振替制度に係る手数料および費用等

(上記その他の費用については、当該投資信託の運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません)上記投資顧問報酬(0.75%)と上記投資信託の信託報酬(0.05%)の合計は、0.80%(年率、税抜)となります。

CRC 1956431 Exp. 11/28/2018