フラッシュ・レポート
グローバル・オポチュニティ株式戦略 運用責任者とのインタビュー
 
 

フラッシュ・レポート

グローバル・オポチュニティ株式戦略 運用責任者とのインタビュー

 

2016年

 

このインタビューでは、運用責任者である

Kristian Heughがお客様から頻繁に受ける

質問のいくつかにお答えします。

 

運用哲学を1文で表現すれば、どうなりますか?

KRISTIAN HEUGH(以下KH):成長企業に適用される、ウォーレン・バフェットの投資基準を実践することです。

その意味するところは?

KH:株価が割安水準かどうかを気に掛けることであり、競争優位性に気を配ることです。さらにクオリティ・グロース(良質の成長)を重視することです。難しい理論ではありませんが、容易なことでもありません。この3つの基準を満たせる企業はそう多くありません。時価総額が10億ドル以上の上場企業は世界各国の合計で約7,000社ありますが、当ポートフォリオに組み入れられている企業は、そのうちの上位1%未満です。

株価の割安度をどのようにして評価していますか?

KH:企業を評価する測定基準として、株価収益率(P/E)を用いるのはつたないやり方だと思います。P/Eの魅力は評価基準として使いやすく、利用しやすいことにありますが、その反面、経営陣によって操作されやすい数値でもあり、また企業の短期志向を助長もします。その代わりに、我々は企業の本質的価値を調べます。5年先を見越して、価格、ユニット、マージン、そしてマルチプルに関して、その見通しを保守的に評価します。オフバランスシート債務、キャッシュ、希薄化、および新規事業分野について加重推定した保守的な採算見通し(我々の呼び方は「オプショナリティ」)に基づき、適切な調整を行います。次に、割り引いて現在価値を算出します。銘柄の購入は、企業の質が高く、かつ株価が極めて魅力的な水準にある場合に限られます。

 

では、クオリティが意味するところは何でしょうか?この頃は「クオリティ」を冠したファンドが極めて多く出回っているように思えます。当運用戦略も単にその一つにすぎないのでは?

KH:当運用戦略は、市場で流通している従来型の「クオリティ」ファンドとは全く異なります。クオリティは「競争優位性」と「成長」という2項の関数と言えるでしょう。こう考えれば、様々な市場環境において、特に市場が好調でも不調でも、極めて魅力的なリターン分布を実現し、世界中にいる競合他社の大多数とは一線を画すユニークなポートフォリオを創出しやすくなります。

従来型の「クオリティ」ファンドも実績をあげています。これらと比較してより優れたアプローチを実現する方法とは?

KH:ここ20年間は、リスクのグローバル化が進展しました。アジア通貨危機に端を発し、次にドットコム・ブームとバブル、次いで世界金融危機、続いて欧州の債務問題、そして現在はギリシャ問題です。地域を横断してリターンの相関が高まっているので、ある地方市場で問題が発生すれば、それに関する情報が素早く地域市場そしてグローバル市場に伝わり、連鎖反応を引き起こす可能性があります。

このようにマクロ経済リスクの高まりが認識されていることに対して、どのような政策が取られてきたでしょうか。金利の引き下げです。市場への効果はどうでしょう。生活必需品セクターと従来型クオリティ企業の株価が上昇し、低リターン環境の中で安定したリターンを生み出しています。買収をしたり、マルチプルを大幅に変えたりしないことを前提として、4%のFCF(フリー・キャッシュフロー)利回りを生み、年に4%の有機的成長率を実現できれば、インプライド・リターンは8%になります。1~2%の債券利回りと比較して、平均8%はそう悪くは見えません。そこには大変惹きつけるものがあります。そういうわけで、マルチプルが徐々に上昇して現在に至っています。多くの需要が継続してあり、それには正当な理由があります。いずれは、バリュエーションが高まり、今までのレベルのリターンを支えられなくなることも考えられますが、債券と比較すれば、そんなに悪くは見えません。

 

クオリティ戦略の優れた点について多く伺いました。当運用戦略の最も大きな特徴は何ですか?

KH:クオリティについてより包括的な定義をしています。それが正しいと断言するつもりはなく、ただ、我々のポートフォリオは他とは全く異なる特徴をもち、全く異なるポートフォリオになっています。無形資産に基づくブランドは付加価値です。それに加えて、我々の基本的な考えでは、競争戦略によって価値を付加する方法が他にも複数あります。競争優位性を生み出し得る戦略は5つ、すなわち差別化、差別化集中、コスト・リーダーシップ、コスト集中、およびネットワーク効果の各戦略です。これらの戦略を有する企業は、単に主要な必需品メーカーばかりでなく、他の様々なセクターから現れる可能性があります。そのため、重要なことには、我々の選択肢も若干増えます。つまり、成長と価格について、もう少し念入りに選ぶことが可能になるのです。フリー・キャッシュフロー利回りが一部の一流必需品メーカーと同水準の4%であることを所与として、銘柄探しをすれば、時には成長率が年に20%超で、投下資本利益率(ROIC)が50%超の企業を見つけることができます。こうした優れた実績は強力で持続可能な競争優位性に支えられています。我々の銘柄トップ10リストには、そうした特徴を有する企業が相当数ランクインしています。

では、こうした投資アイデアを見つけることができると想定して、どのような市場環境でアウトパフォームまたはアンダーパフォームを見込んでいますか?

KH:当運用戦略にとって良好な市場環境を確実に予測することは不可能ですが、90カ月以上のデータポイントを蓄積しているので、過去のデータを基にした何らかの環境は分かります。月単位では、我々が市場をアウトパフォームした期間は、対象期間の60%に過ぎません。3カ月ローリング期間では、この比率が65%に改善します。12カ月ローリング期間では、成功率は78%でした。期間が36カ月超になると、アウトパフォーム率は100%に達し、各期間とも絶対額ベースでお客様の資産を増やしました。好調な市場で大いに成果をあげた一方、際立った特徴として、我々のアウトパフォーマンスが突出していた期間は、市場リターンが3年にわたって極めて低迷していた時期でした(複合年間成長率が5%未満またはマイナス)。なぜでしょう。その理由は、相対的に低迷した環境において、我々の投資先企業は強力な競争優位性によって自社を守るからです。これらの企業は中核事業に集中することができ、脆弱なバランスシートまたは低いマージンを抱えながら資金調達の心配をすることはありません。実際、経済的なボラティリティを活用して、他社が動揺している時期に自社の相対的な競争ポジショニングを改善したり、新たな市場に進出したりする能力を有しています。

 

「好調な市場で大いに成果をあげた一方、際立った特徴として、我々のアウトパフォーマンスが突出していた期間は、市場リターンが3年にわたって極めて低迷していた時期でした」

 

先の世界金融危機で経済的ボラティリティを十分に活用した実例がアップルでした。同社は2007年にiPhoneを発売しましたが、その人気と斬新性にもかかわらず、iPhoneが世界全体の電話販売の2%を超えるまでに3年かかりました。競合他社が動揺している間も、同社は驚くべき製品サイクルを実現して改善し続け、今やiPhoneシリーズの収益寄与率は60%を超えていますし、アップルの時価総額は今や世界最大です。我々はグローバル・オポチュニティ戦略の開始当初からアップル株式を保有していましたが、2 ~ 3年前に株価が本質的価値の推定値に達したため、売却しました。クオリティ企業の株式でさえ、株価が一定の価格に達した時点で、売却する必要があります。その価格がいわゆる「本質的価値」です。

 

2008年の運用成績は不振でした。グローバル・オポチュニティ戦略はダウンサイド・プロテクションを本当に発揮できるのですか?

KH:ご指摘ありがとうございます。その質問を受けたのは、今回が初めてではありません。確かに、2008年は困難な年でした。というのも、当運用戦略を立ち上げたばかりの時期にあり、私の銘柄選択の一部が上手くいかなかったこと、エマージング市場を控え目にオーバーウェイトしていたことが裏目に出たほか、「今この場」という即時的思考がもてはやされて長期的な本質的価値が動揺した市場環境の影響も受けました。

ただし、様々な市場サイクルにおける我々のパフォーマンスの長期的な属性と分析に関しては、リターンの暦年効果を切り離すことが重要であると考えます。当運用戦略の開始以来、市場は暦年ベースで2回下落しました。我々の運用成績は2008年がアンダーパフォーマンス、2011年がアウトパフォーマンスでした。こうお話ししても、実態はあまり明らかになりません。

その代わりに12カ月ローリング期間のパフォーマンスに目を向けてください。そうすれば、市場下落時のデータセットは、2回の暦年から20回の12カ月ローリング期間に拡大します。これら20回の下落市場で、我々の運用成績はどうだったでしょうか。そのうち14回(70%)は、グロスベースで平均330 bpsを超える大差をつけて、アウトパフォームしました。上昇市場での運用成績には及ばないかもしれませんが、それでもそう悪くはありません。実際、下落市場で上記の類いのリターンを得られれば、多くの投資家は快く思うでしょう。市場が二桁台の下落を記録した全10回のうち、我々は6回アウトパフォームしました。

12カ月ローリング期間データは良いのですが、投資家の皆様にはサイクルを通して大局を見ることをお勧めします。実際、我々はそのように運用しており、経時的ターンオーバー率は20%から50%の範囲に収まっています。平均しますと、投資期間は3年サイクル以上になります。

お客様が短期的な評価基準を要求なさる場合は、市場が下落した月、四半期、年、そして3年間の各平均において、我々がベンチマークに対してアウトパフォームしてきたことにご注目ください。したがって、我々の戦略にはダウンサイド・プロテクションを発揮する機会のあることが、特に評価期間が長くなるほど、データによって裏付けられていると確信しています。経済的ボラティリティは運用先企業にとっては同業者をアウトパフォームするチャンスになります。市場のボラティリティは我々にとって同業者をアウトパフォームする「オポチュニティ」になります。

 

「……市場が下落した月、四半期、年、そして3年間の各平均において、我々がベンチマークに対してアウトパフォームしてきたことにご注目ください」

 

クオリティ企業を探し出す対象地域はどこですか?

KH:全地域、先進国でも新興国でも、ハイクオリティ企業を探し出します。ハイクオリティ企業の地域別構成比率は、欧州よりもアジアが若干上回ります。時価総額が10億ドル以上の企業を対象として、過去3年間の収益成長率が15%、ROICが15%を基準に、ふるい分けを実施すると、グローバル企業の約10%がこの定義に合致します。セクター別に見れば、相違がよりはっきりと見え始めます。全セクターにハイクオリティ企業が存在しますが、ふるい分けを通るパススルー比率が比較的高いセクターは、「テクノロジー」(24%)、「ヘルスケア」(19%)、「一般消費財・サービス」(12%)、および「生活必需品」(10%)です。対照的に「公益事業」(4%)と「金融」(2%)といったセクターが基準に合致する比率は、それほど高くありません。興味深いことに、上記の基本的クオリティ基準で上位のセクターは、レバレッジ基準でも上位のセクターです。「テクノロジー」および「へルスケア」は平均でネットキャッシュを有していますし、「一般消費財・サービス」および「生活必需品」はセクター平均値よりも正味債務額が少なくなっています。平均すると、この4セクターに属する企業は、高い資本利益率と成長率を達成するに当たり、他のセクターほど多くの債務を用いていません。

 

それでは「ヘルスケア」にそれほど投資していないのは、なぜですか?

KH:「ヘルスケア 」セクターには概して魅力的な属性があります。すなわち資本利益率の高さ、および知的財産の特許が競争優位性になっています。ただし残念ながら、このセクターの時価総額の大半を占めるのは総合製薬会社ですが、大型医薬品の大半(コレステロール、血圧などの治療薬)は既に発見されているため、これらの企業は大規模な特許切れを迎え、次第に投下資本利益率(ROIC)が低下しています。新薬開発に充てられる資本の金額は過去20年間減っていませんが、新薬の年間売上総額は半減しました。医薬品が特許切れになると、特許権者は相当のマーケットシェアを失うばかりでなく、薬価も大幅に下がるため、当該医薬品の価値は通常およそ70%~ 90%減少します。

短期的な投資家は、価値の評価基準として、1年間の収益とフリー・キャッシュフローを信頼しています。彼らがこれら医薬品が生む一連のキャッシュフローを潜在的に過大評価するのは、そのターミナルバリュー(最終価値)が低いからです。

加えて、「ヘルスケア」セクターの他のいくつかの分野(病院、保険)は、政府の厳しい規制の影響を受けます。医療技術の分野は興味を引かれるのですが、該当する企業の大半の株価は、他のセクターで同様の競争優位性とクオリティ成長性を有する企業と価値比較すると、むしろ割高になっています。バイオテクノロジーの分野は、バイオシミラー(バイオ医薬品の後続品)が開発された時でさえ、価格はそれほど下がらないので、興味深い分野です。この状況は化学薬品よりもバイオ医薬品のターミナルバリューのほうが高いことを意味しています。

投資に際しての問題は、どの薬品が承認され、どの薬品が承認されないかを確実に判定することが、極めて困難なことです。加えて、米国バイオテクノロジー市場のマルチプルは数年前に比べると、はるかに高い水準にあります。そのため割安な企業を見つけることが一層難しくなっています。最近、韓国に出張した際、未発見のバイオテクノロジー企業1社を見つけました。同社では筋萎縮性側索硬化症(ALS)と糖尿病関連の症状を対象とした治験が進んでいますが、株価は米国の競合会社と比較すると、極めて割安にされています。ですから、機会はありますし、今後も我々はいつもと変わらず、極めて厳選的であり続けます。

 

「テクノロジー」エクスポージャ-が高すぎるように思われますが…。

KH:「テクノロジー」セクター内では、消耗型‐習慣性‐反復性の事業、揺るぎないクオリティ、そして安定した収益とキャッシュフローを有する、トップクオリティのフランチャイズの株式を保有しています。販売が1度限りの事業で、参入障壁が低く、利益率が変動し、ビジネスサイクルが激しい企業、例えば半導体、通信機器、ハードウェアなどの銘柄は保有していません。

「テクノロジー」への全エクスポージャ-のうち3分の1は、反復性が高いITサービス企業が占めています。これらの企業の特徴は、消費者にとってスイッチングコストが高いこと、そして翌12カ月の売上動向について90%近く見通せることです。クレジットカードもMSCIによると「テクノロジー」セクターに属すると見なされています。この分野での保有銘柄はいずれも、極めて力強いネットワーク効果を有し、新規参入者に対してとてつもなく高い障壁を築き上げています。クレジットカード会社を金融企業と定義すれば、エクスポージャは劇的に低下します。

ITサービスとクレジットカードに加えて、「テクノロジー」エクスポージャの残りの半分は、ソーシャルネットワーク、検索エンジン、そしてそれぞれの隙間市場(ニッチ)で垂直統合を築いている有力企業数社へのエクスポージャです。これらの企業は極めて強力な競争優位性を有するハイクオリティ・フランチャイズです。例えば、Facebookは他社が取って代わるのが極めて困難であることを実証しました。FacebookとMyspaceの主要な違いは、Facebookでは実名をIDにすること、そしてグローバル・マーケットシェアがはるかに高いことです。小さな市場では「有力」企業に取って代わることは比較的容易です。対照的に、有力企業が既に世界規模で優勢な場合は(月間アクティブユーザー数が約15億の事例が示すように)、これを再現することが極めて困難です。検索エンジンにおいて、トップ企業の強みは日々、拡大していきます。なぜならマーケットシェアトップの報いとして、ユーザー行動に関するデータが飛躍的に増えていくからです。

これらテクノロジー投資のすべてにおいて、エンドゲーム分析、バリューチェーン・ダイナミクス、競争戦略と個々の企業の競争優位性に基づき、ニッチが優れた場と断定されれば、当ポートフォリオではそれぞれのニッチにおけるトップ企業を保有する傾向があることにご留意ください。Autohome(保有銘柄)の競合会社である BitAutoは保有していません。検索エンジンからトラフィックの大多数を購入する同社のビジネスモデルは、持続可能でないという理由からです。Discoverも保有していません。VisaやMasterCardよりも資本効率が低く、同等のネットワーク・メリットを享受していないからです。

 

各企業自体の予測可能性と持続可能性について伺いましたが、ポートフォリオの全般的リスクについては、どうですか?伝統的な評価基準に照らすと、成長企業への投資にはより高いリスクが伴うように思われます。

KH:我々はリスクを「投資資金を失うこと」と定義していて、(現在までのところ)どの36カ月間をとっても投資資金を失ったり、ベンチマークをアンダーパフォームしたりしたことはありません。もちろん、時の経過とともに、運用成績は変動するでしょうが。リスクの伝統的な評価基準については、2015年6月末現在、グローバル・オポチュニティ・ポートフォリオの過去3年間のベータは0.90です。驚くほど低い数値と見る向きもいらっしゃるかもしれません。

社内リスク部門が当ポートフォリオの全保有銘柄間の相互相関を分析した結果、保有銘柄のうち「生活必需品」大手企業間の相関は、「テクノロジー」企業間の相関よりも、著しく高いことが判明しました。例えばNestleと他の主要「生活必需品」企業(Anheuser-Busch、Danone、Diageoなど)との相関は、Googleと同業他社(Facebook、Cognizant、Baidu、Visaなど)との相関の2倍近くあります。したがって、当ポートフォリオの「テクノロジー」保有銘柄は(伝統的なリスク評価基準と回顧的なリスク評価基準に照らして)、各種グローバル戦略が共通に保有している多くの銘柄よりも、より優れた分散投資を実現しています。

保有銘柄のうち中国企業は当ポートフォリオの相関を劇的に低くしています。中国A株については3銘柄を保有していますが、その平均ベータ値はマイナスです。これらの銘柄は、ポートフォリオの分散投資にはほぼ金と同じくらい効果があることに加えて、中国で最大のアルコールメーカー、最大のしょうゆメーカー、そして最大唯一のオンショア免税会社であることのメリットも享受しています。本稿の執筆時において、中国市場が3カ月で約15%下落したのに対して、この3社の時価総額は合計で数パーセント上昇しました。3社ともクオリティが極めて高いフランチャイズであり、当ポートフォリオにおいてはポートフォリオのシステマティック・リスクを多少減らしています。

リスクとは投資資金を失うことです。投資資金を失ってはいけません。

 

アジアのウェイトが高いのは、なぜですか?リード・マネージャーが香港を拠点にしているからでしょうか?

いいえ、純粋に機会がある場所に基づいています。そしてその判断はデータをいかに分析するかにかかっています。経済的エクスポージャを見ていただくと、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)ではアジアのウェイトが35%であるのに対して、当ポートフォリオでは約41%のウェイトになっています。当ポートフォリオの経済的エクスポージャと、2030年の地域別GDPのグローバル予測を対比していただくと、アジアの数値は共に41%です。重要なポイントは、我々が気に掛けるのは、企業の所在地ではなく、実際に操業している場所であること、そして将来に目を向けていることです。当ポートフォリオはこの将来に向けて適切なポジションを構築しています。

当ポートフォリオでは、グローバル・ベースでセクター別に投資責任者がいます。またグローバル・ベースで地域別にも投資責任者がいます。この独自の重複体制のおかげで、すべての地域とセクターで面白い投資アイデアを見つけるチャンスが多角的に得られます。

欧州には運用担当者が一人もいませんが、欧州の投資機会を見逃すことになってはいませんか?地域別のパフォーマンス属性の比較は、どのようになっていますか?

過去5年間の地域別パフォーマンス属性は際立ってバランスが保たれています。地域別に当ポートフォリオ全体へのアルファ寄与度を見ますと、EMEA(欧州、中東およびアフリカ)は21%を越え、南北アメリカとアジアはそれぞれ約25%です。EMEAポジションのパフォーマンスは、アジアをアウトパフォームし、また現地市場との対比では171%対58%と3倍近くの大差をつけました。ですから、我々のグローバル体制は、時間をかけて発展してきた経緯からも、世界のすべての地域で投資アイデアを調達して収益化するのに役立っていると思います。

 

「経済的ボラティリティは、投資先企業にとっては同業者をアウトパフォームするチャンスになります。市場のボラティリティは我々にとって同業者をアウトパフォームする「オポチュニティ」になります」

 

同じカテゴリーのファンドを凌駕するパフォーマンスを発揮しながら、運用資産(AUM)を増やさないのは何故ですか?

我々運用チームには17年を超える実績があります。この間に、資産集めが主な優先事項になったことは、一度もありません。我々はお客様のために、投資資金をうまく運用することに注力しています。ベンチマークに対して長期のパフォーマンスで成果をあげることが、我々のインセンティブになっています。チームメンバーは繰延給与を各自が運用するファンドに投資するように義務付けられています。そして率直に言って、我々は極めて高い競争力を有しています。お客様のために立派な仕事をしたいと本気で考えています。そのことのほうが、マーケティングを旺盛に行ってAUMを増やすことよりも重要です。チーム全体で支え合ってきて、今や我々はチーム全体で300億ドル近くのAUMを運用しています。ですからグローバル・オポチュニティを積極的に売り込む必要はありません。我々が現在いる段階は、多様な市場環境で堅固なパフォーマンスを維持し、運用プロセスの一貫性と反復可能性を実証したところです。ですから、今後はパフォーマンスに影響しない仕方でAUMを慎重に増やしていく所存です。当運用チームは過去に複数のファンドをクローズしてきました。我々はお客様の立場に立って適切なことをしたいと望んでいるので、グローバル・オポチュニティについてもキャパシティーに達した時点で、同じくクローズすることになるでしょう。

 

あなたのチームが他と違うところとは?

既存のお客様の強いご要望にお応えして、グローバル・オポチュニティと同じ運用チーム、運用哲学および運用プロセスに基づき、2015年の終わりにアジア・オポチュニティ戦略を導入しました。但し、この結果として運用・管理を行うポートフォリオ数が1つ追加されたことにはなりません。というのも、米国オポチュニティ運用戦略のファンドをクローズしたからです。同戦略は2006年に立ち上げられ、現在では同一カテゴリーのファンドのうちトップ5%に入っています。我々はグローバル、インターナショナル、そしてアジアに焦点を当て、リソースを再配分する決定をしました。アジア・オポチュニティもボトムアップ型で、ベンチマークにとらわれず、ベスト・アイデアに集中し、クオリティ重視を伴う運用規律に重点を置きます。

効率が向上した結果、市場のボラティリティに関係なく、取り組むべき投資アイデアを以前よりも多く見つけています。そのため、香港で勤務する運用担当者をもう1名採用しました。また専任のポートフォリオ・スペシャリスト1名も採用しました。お客様から当運用戦略により多くの関心をいただいている現在、当運用チームが時間の大部分をリサーチとポートフォリオ構築に向けられる体制を整えつつ、一流のサービスをお客様に確実に提供したいと考えています。

 
マネージング・ディレクター
 
 

本書は、グローバル・オポチュニティ株式運用戦略の運用責任者であるKristian Heughのインタビュー記事をまとめたものです。本書は、モルガン・スタンレー・ インベストメント・マネジメント(「MSIM」)が作成したレポートをモルガン・ スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書 と英語原文の内容に相違がある場合には英語原文が優先します。

本書内の見解や意見はインタビュー時点のHeugh本人のもので、市場環境の変化等により適宜変更され、また実現を保証するものではありません。また、MSIMの全ての運用チームの意見や、MSIMの会社としての見解を反映したものでもありません。MSIMが提供する全ての運用戦略において反映されるものでもありません。

本書は戦略に関する情報提供のみを目的としており、個別の金融商品等を勧誘・推奨するものではありません。また、個々の投資家の投資目的、投資環境、特定の投資ニーズにお応えすることを意図したものではありません。

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CRC 1930514 Exp 10/25/2018