フラッシュ・レポート
情報技術セクターにおける勝者と敗者
 
 

フラッシュ・レポート

情報技術セクターにおける勝者と敗者

 

過去10年間にわたり、グローバル・フランチャイズ運用戦略の運用哲学は変わっていません。生活必需品銘柄が極めて重要な役割を果たし、ポートフォリオの半分以上を占め続けています。こうした状況の中でも進化を遂げたのは、我々が投資するクオリティが高く、複利のように利益を増幅することのできる銘柄の中に、情報技術銘柄が組み入れられた事です。10年前には未保有であったのが、現在ではポートフォリオの25%弱を占めるに至っています。劇的な変化を伴う同セクターが複利のような利益増幅の源泉の一つとなるということは、直感的には理解しにくいかもしれません。特にSMAC(ソーシャル、モバイル、アナリティクスおよびクラウド)と呼ばれるデジタル革命とともにセクター全体が急速に変化する場合には、いっそう理解しにくいでしょう。しかし、これらの変化がもたらす脅威は、情報技術セクターの高クオリティの企業に対してよりも、その他のセクター、特にメディア、広告代理店および小売業界において比較的収益力の弱い企業に対して、より顕著となると考えられます。

 
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デジタル革命においては、新たなビジネスモデルを採用するにあたりいかにスピーディーかつ効率的に行動できるかによって、勝者と敗者が選別されます。
 
 
 

情報技術セクターの中でも、ハードウェアよりもソフトウェアやITサービスの分野に高クオリティの企業が多く存在すると我々は考えています。ハードウェアは相対的に景気敏感性が高く、資本集約度(売上に対する設備投資額の割合)がはるかに高いとともに、常にコモディティ化(一般化して差別性が低下する事)の脅威にさらされています。パブリック・クラウドを提供する企業や、ハードウェアを効率的に利用する企業、自社でハードウェアを製造する企業、ハードウェアを調達するために絶大な購買力を最大限活用する企業の一段の台頭により、状況の悪化が進んでいます。LANスイッチやルーターを手掛けてきた企業は、ソフトウェアにより企業としての存在が脅かされる中、このような環境に適応しなければなりません。世界初のインターネット・ブラウザーであるモザイクの共同開発者で、ネットスケープの創業者でもあるマーク・アンドリーセンは「ソフトウェアが世界を飲み込む」と主張していますが、これが極端な例えであるとしても、ハードウェアとは対照的にソフトウェアが勝者であると言えるでしょう。ITサービス企業の実力にはばらつきがあり、複雑なデジタル化における企業のサポートといったハイエンドの事業を提供する企業と、コモディティ化するか人工知能によって自動化される、ローエンドの外注事業主体の企業とに二分されています。ハイエンド企業の好例が、アイルランドのダブリンに本拠地を置き、世界的規模で専門的なコンサルティング・サービスを提供する会社です。同社が勝者となっている背景には、強力な戦略コンサルティング・ビジネスと業界トップクラスのデジタル投資があります。

「クラウドを前提としてサービスを提供する」競合他社が出現する中、その他の大きな変化とともに、クラウドへの移行は既存のソフトウェア企業にとってリスクとなっています。経営者はこうした変化の中で事業投資への備えを行わなければならず、更にクラウドへの移行により既存ビジネスの売上が浸食される可能性にも備える必要があります。またクラウドへの移行に際して顧客が契約条件を再考し、契約を更新しない可能性もあります。さらに、ソフトウェア企業は、サーバーを大量に設置するサーバー・ファームおよびデータ・センターの設備負担による資本集約度の上昇や、ソフトウェア販売時点の代金受取りから利用期間に応じた代金受取りであるサブスクリプション・サービスへの移行に伴う現金収入の繰り延べ、採算に達する規模のクラウド・サービスを提供する必要性といったコスト増に直面します。その結果、過去数年間にわたり、従来型のソフトウェア企業は利益率の低下に直面してきました。しかし一方で好材料と言えるのは、こうしたソフトウェア企業の利益率低下のプロセスは既にかなりの程度まで進んでおり、市場予想として、向こう1年間で利益率低下は底を打つと見られ、その後は継続的なクラウド・サービスの規模拡大により利益率が改善する余地があり、営業レバレッジ(営業利益の変化率÷売上の変化率)増加というプラス効果も期待されていることでしょう。

 
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クラウドへの移行期を経て、ソフトウェア企業の業績は一段と安定し、予見性が高くなっています・・・景気低迷による影響を受けにくくなっています。
 
 
 

移行期を経て、ソフトウェア企業の業績は一段と安定し、予見性が高くなっています。一括計上のライセンス売上高が定期課金のサブスクリプション売上高に置き換えられることで、景気低迷による影響を受けにくくなっています。営業活動・顧客管理の企業向けソフトを手掛けるドイツのソフトウェア企業は、クラウド事業が成長する中、2020年までにサブスクリプション売上高の全社売上高に占める比率を70~75%まで引き上げることを目指しています。また、成長加速の期待もあります。過去においては追加の商品・サービスをハードウェアごとに設置しなければならなかったのに対して、クラウド環境ではそれがはるかに容易となります。好例として、ワシントン州に本拠地を置く、業界で支配的な立場にある情報技術企業が挙げられます。同社は、最新のサブスクリプション・サービスを提供することによる恩恵を既に受けています。顧客はすべてクラウドを通じて、同社の主要ソフトウェアと関連サービスを利用可能です。顧客の定着率が上昇すれば、顧客の価値は高まります。

もう一つの好材料として、現在と2007年では情報技術セクターのバリュエーションに違いがあることが挙げられます。同セクターは絶対ベースで10年前よりもバリュエーションが低い数少ないセクターの一つです。MSCIワールド情報技術セクター・インデックスのMSCIワールド・インデックスに対する予想利益ベースのプレミアムは、成長中の割高な企業が含まれているにも関わらず、34%から14%へ大幅に縮小しています。そのような企業の中でも、特に一部のハードウェア企業とソーシャルメディア企業に加えて、シアトルに本拠地を置く電子商取引とクラウド・コンピューティングを手掛ける著名企業(一般消費財・サービス・セクター)が急騰しています。

 
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・・・事業環境が悪化しても成長が予見可能で、安定的に複利のように利益を増幅し続けることができる企業が、当戦略のポートフォリオにおいて重要な部分を占めるでしょう。
 
 
 

現在、世界は非常に不透明な状態にあり、このことがバリュエーションに織り込まれていないと我々は考えています。MSCIワールド・インデックスの向こう1年間の予想利益ベースの株価収益率(PER)は16.6倍であり、この予想利益も2桁台の成長を見込んだ上でのものです。S&P500指数のボラティリティを表すVIX指数は過去最低に近い10を下回る水準にあり、この水準に妥当性を見出すのは困難となっています。物事が悪い方向に進む可能性が無視されているか、少なくとも十分に考慮されていないと考えられるこの状況では、事業環境が悪化しても成長が予見可能で、安定的に複利のように利益を増幅し続けることができる企業が、当戦略のポートフォリオにおいて重要な部分を占めるでしょう。情報技術セクターの中でも有望なセグメントに属し、有能な経営陣を擁する企業は、我々の投資対象になると考えます。

 
マネージング・ディレクター
 
 
インターナショナル・エクイティ運用チーム責任者
 
 

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。本書はグローバル・フランチャイズ運用戦略に関する情報提供を目的として作成したものであり、法令に基づく開示書類ではありません。本書は信頼できると判断した情報を元に、十分な注意を払い作成しておりますが、その正確性や完全性をお約束するものではありません。本書の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることもあります。本書中のグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定の銘柄及び市場等全般の推奨や価格の上昇又は下落を示唆するものではありません。当社の事前の許可無く、本書を第三者へ交付することはご遠慮下さい。

重要事項
本書は、当社の投資一任契約および投資顧問契約に関する業務に関連して提供されるものであり、特定の金融商品の取引や申込みの推奨や勧誘を目的とするものではありません。また、弊社は、本投資戦略によって運用されている金融商品の取引や申込みの推奨や勧誘を行うものではありません。

1. 投資一任契約の概要
投資一任契約は、お客様の資産の運用に関し、お客様があらかじめ運用の基本方針を定めた上で、有価証券の価値等の分析に基づく投資判断のすべてを当社に一任し、当社がこれをお引き受けするものです。お客様は投資を行うのに必要な権限を当社に委任し、当社は委任された権限を行使するにあたっては、当社の投資判断に基づきこれを行い、お客様は個別の指示を行わないものとします。

2. 元本損失が生ずることとなるおそれ
受託資産の運用には、受託資産に組入れられた株式その他の有価証券等の価格変動リスク、株式その他の有価証券等の発行体の信用リスク及び株式その他有価証券等を売却あるいは取得する際に市場に十分な需要や供給がないため、十分な流動性の下で取引を行えない、または取引が不可能となる流動性リスク等による影響を受けます。また、外貨建て資産に投資するため為替変動リスクの影響を受けます。受託資産の運用による損益はすべてお客様に帰属し、元本が保証されているものではなく、元本損失が生ずることとなるおそれがあります。

3. 投資一任契約締結に際しての留意事項
受託資産の運用は、個別の受託資産ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、投資一任契約を締結する際には、契約締結前交付書面をよくご覧ください。

リスクについて
当運用戦略は主に海外の有価証券等を投資対象とするため、当該有価証券の価格の下落により投資元本を割り込むことがあります。また、外貨建ての資産は為替変動による影響も受けます。従って、お客様の投資元本は保証されているものではなく、運用の結果生じた利益及び損失はお客様に帰属します。投資する可能性のある金融商品等には、価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動リスク、デリバティブ取引に伴うリスク、カントリーリスク等のリスクを伴います。

リスクの開示
投資する金融商品等の価値の変動が受託資産の運用成果に影響を与えます。投資する可能性のある金融商品等には、価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動リスク、デリバティブ取引に伴うリスク、カントリーリスク等のリスクを伴います。

費用について
投資一任契約に基づいて直接投資をする場合の費用
投資顧問料率
25億円までの部分に対して 0.864%(税抜 0.800%)
25億円超50 億円までの部分に対して 0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100 億円までの部分に対して 0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して 0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
※ 上記以外に投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の報酬体系は上記と異なる場合があります
※ 契約資産の性質・運用方法等により、お客様と協議の上、最低受託額、受託額及び投資顧問料率を別途取り決めることがあります
※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
また、投資一任契約に基づく組入資産の売買手数料、保管費用等をお客様にご負担いただきます。(当該手数料等につきましては、運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません。)

最低受託金額
効率的な運用を実現するという観点から、個別口座の最低受託金額を50億円と設定しております。

《ご注意》
上記に記載している費用項目につきましては、一般的な投資一任契約を想定しております。受託資産の運用に係るリスクや費用については、投資一任契約を締結する際に、事前に契約締結前書面をご覧ください。

投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の費用
組入れ予定の投資信託は、弊社がお客様と締結する投資一任契約に基づいて投資を行うための専用ファンドであり、当該目的での利用に限定しております。

投資顧問料率

一律0.81%(税抜0.75%)

組入れる投資信託で弊社が運用報酬を受領する場合、上記料率から控除して投資顧問報酬額を算出します。
• 組入れ予定の弊社設定投資信託から弊社が受領する運用報酬はございません。したがって、投資顧問報酬額は上記の年率0.75%(税抜)で計算されます。
• 表記の料率は年率表示です。
• 契約資産の性質・運用手法等により、お客様と協議の上、別途報酬額を取り決める場合があります。
• 税込料率は法律に定められる税率が適用されます。

投資信託にかかる費用
信託報酬 年率0.054%(税抜 年率0.05%)内、委託者報酬(運用報酬) ありません
信託財産留保(相当)額 基準価額に0.20%を乗じた額(解約時)
• 販売手数料はございません
• 当該投資信託に関する以下のその他の費用を、投資信託財産で間接的にご負担いただきます
- 組入有価証券を売買する際に生じる取引費用
- 外貨建資産の保管費用
- 信託事務の処理に要する諸費用
- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
- 投資信託振替制度に係る手数料および費用等

(上記その他の費用については、当該投資信託の運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません)上記投資顧問報酬(0.75%)と上記投資信託の信託報酬(0.05%)の合計は、0.80%(年率、税抜)となります。

CRC 1829812 Exp. 06/29/2018