フラッシュ・レポート
クオリティの指針となるガバナンス
 
 

フラッシュ・レポート

クオリティの指針となるガバナンス

 

我々は優れたコーポレート・ガバナンスが極めて重要と考えています。なぜなら、経営者は株主の利益のために行動するよう徹底を図る必要があるためです。株主は会社経営に自ら従事しないため、経営者と株主間で利害が一致しないという典型的なプリンシパル・エージェント問題に対処する必要に迫られます。代表的なものとして、時間の尺度の違いが挙げられます。収益性や投下資本利益率を気にせずに、経営者が企業を超長期の視点から経営すること(日本企業で典型的な問題)は、短期的な利益を追求する経営方針の下、経営者に多額の報酬が支払われることが多い(英米企業で典型的な問題)のと同様に、深刻な問題になり得ます。投資家がこうした状況に注意する必要があることは明らかです。

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複利のように利益を増幅し続けることができる高クオリティ企業において、ガバナンスはことのほか重要であると考えています
 

短期的な利益追求ではなく、長期的な視点による企業経営は非常に重要です。具体的には、企業はフランチャイズ(優位性)を維持し、イノベーションを起こし、そのイノベーションを広告と販促を通じて適切にサポートするために、十分な投資を行う必要があります。これらの投資は損益計算書上の費用や、設備投資という形で行われます。また、手元にあっても使い道のないフリー・キャッシュフローを投下資本利益率の高い案件に投資すること、あるいはそのような投資機会がない場合には、望ましくは配当という形で株主に還元することが極めて重要です。十分な投下資本利益率を確保できる長期見通しが立たない事業分野からは撤退し、投下資本利益率の高い事業分野に投資するか、株主に還元すべきです。適切な買収を行う企業が存在するものの、我々は通常、こうした大型買収に対しては慎重な姿勢を維持しています。なぜなら大型買収においては、買収企業の株主が損をして、運よく買収された企業の株主が得をする事が多いためです。

直感的には理解しにくいかもしれませんが、複利のように利益を増幅し続けることができる高クオリティ企業において、ガバナンスはことのほか重要であると考えています。理由は単純で、経営者にとって経営の自由度が大きいためです。生活必需品企業の中には多額の広告予算を持つものがあり、そのような企業が業績の厳しい時期に広告費用を削減して、短期的に利益を押し上げて長期のフランチャイズを犠牲にすることがあります。一方で、高収益企業は資本配分を誤らせる誘惑に打ち勝ち、高水準のフリー・キャッシュフローを創出するでしょう。

1986年の創設以来、インターナショナル・エクイティ運用チームにとって、経営者とガバナンスは運用プロセス上の主要な分析項目となっています。運用チームはこの分析をISSやグラス・ルイスなどの議決権行使助言会社に委託することはなく、MSIMのコーポレート・ガバナンス・チームのサポートを受けつつ自ら行っています。以下で述べる通り、我々の優先事項は明確である一方で、議決権行使の決定を、事務的な方法ではなく、事案ごとに精査して行っています。不完全なことが多いこの世の中で、我々は完璧さを追求するあまり妥当さが損なわれることは望みません。とりわけ妥当さが年々改善している状況では、完璧さだけを追求することはありません。とは言え、必要と判断した場合には、取締役会の提案、あるいは取締役会メンバー自体に反対票を投じることを躊躇しません。

我々はガバナンス構造に関して、最高経営責任者と会長の役割が分離されることを望みます。理想的には、両者ともに我々が期待する水準を満たさない場合に我々が意見出来るような、上級の独立した社外取締役を設置することを望みます。また、ポイズン・ピル条項、一部の株主に対する議決権倍増制度、議決権の重みの異なる種類株式を望みません。さらに、企業、特に経営者が株主からの保護を求めることには賛同しません。

我々はまた、取締役の報酬に注目します。理由としては、多くの人間は報酬を得るために行動する傾向にあるためです。このことは、株主の利益にかなう行動に対しては、それに報いる報酬制度が必要であることを意味します。我々が一株当たり利益(EPS)を過度に重視しないよう注意を払う理由はここにあります。報酬制度を理由に、負債を増やしたり、低収益の買収を行ったりするなど、短期的な手法によりEPSが操作される可能性があるからです。我々は「調整後利益」という言葉の使用には特に注意を払っており、「悪材料考慮前利益」と呼んでいます。ここでいう悪材料としては、償却、環境や社会に関する失策に伴う費用、および株式報奨の付与が挙げられます。一方で、非常に稀ではありますが、投下資本利益率を報酬制度の対象に加えることを高く評価します。

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より重要なのは組織の文化と経営者の行動であり、経営者と定期的に面談することが非常に重要だとする理由はここにあります
 

我々の目標の一つは、業績が月並みまたは不振であるにもかかわらず、経営者に高い報酬が支払われることの回避です。そのため、安易に達成できる目標や単なる勤続年数に応じた株式の付与ではなく、高めの目標設定を求めています。その他にも、目標の変更に注意しています。例として、為替が経営者にとって有利に変動した場合にはその恩恵を受けるにもかかわらず、不利に変動した場合にはその影響を除外して経営者が業績を説明することが挙げられます。また、買収を通じて目標を達成することを支持しません。取締役が最低限一定量の株式を保有することを強く支持しますが、実際にはそれより一歩踏み込み、取締役は退任後も一定期間にわたり株式を保有し続けるよう企業に促しています。これにより、取締役が退任間際に持続不可能となるまで事業を拡大する誘惑に駆られることを回避できます。

突き詰めていくと、ガバナンス構造は重要ですが、より重要なのは組織の文化と経営者の行動であり、経営者と定期的に面談することが非常に重要だとする理由はここにあります。ほとんどの「ガバナンス調査会社」が、測定が容易な採点方法を採用しており、事務的な作業に陥りがちで、人的要素が軽視される傾向にあると私たちは考えています。このような方法では、見つかるはずの無い場所でカギを探し続けるという危険に陥ってしまいます。我々の運用プロセスはより複雑で、人間が積極的に関わることで、必然的に主観性を持ち、カギが実際にどこにあるのかを的確に把握する試みと言えます。

 
マネージング・ディレクター
 
 
インターナショナル・エクイティ運用チーム責任者
 
 
エグゼクティブ・ディレクター
 
 

本書は、インターナショナル・エクイティ運用チームが作成したレポートを、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には、原文が優先します。本書はグローバル・フランチャイズ運用戦略に関する情報提供を目的として作成したものであり、法令に基づく開示書類ではありません。本書は信頼できると判断した情報を元に、十分な注意を払い作成しておりますが、その正確性や完全性をお約束するものではありません。本書の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることもあります。本書中のグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定の銘柄及び市場等全般の推奨や価格の上昇又は下落を示唆するものではありません。当社の事前の許可無く、本書を第三者へ交付することはご遠慮下さい。

重要事項
本書は、当社の投資一任契約および投資顧問契約に関する業務に関連して提供されるものであり、特定の金融商品の取引や申込みの推奨や勧誘を目的とするものではありません。また、弊社は、本投資戦略によって運用されている金融商品の取引や申込みの推奨や勧誘を行うものではありません。

1. 投資一任契約の概要
投資一任契約は、お客様の資産の運用に関し、お客様があらかじめ運用の基本方針を定めた上で、有価証券の価値等の分析に基づく投資判断のすべてを当社に一任し、当社がこれをお引き受けするものです。お客様は投資を行うのに必要な権限を当社に委任し、当社は委任された権限を行使するにあたっては、当社の投資判断に基づきこれを行い、お客様は個別の指示を行わないものとします。

2. 元本損失が生ずることとなるおそれ
受託資産の運用には、受託資産に組入れられた株式その他の有価証券等の価格変動リスク、株式その他の有価証券等の発行体の信用リスク及び株式その他有価証券等を売却あるいは取得する際に市場に十分な需要や供給がないため、十分な流動性の下で取引を行えない、または取引が不可能となる流動性リスク等による影響を受けます。また、外貨建て資産に投資するため為替変動リスクの影響を受けます。受託資産の運用による損益はすべてお客様に帰属し、元本が保証されているものではなく、元本損失が生ずることとなるおそれがあります。

3. 投資一任契約締結に際しての留意事項
受託資産の運用は、個別の受託資産ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、投資一任契約を締結する際には、契約締結前交付書面をよくご覧ください。

リスクについて
当運用戦略は主に海外の有価証券等を投資対象とするため、当該有価証券の価格の下落により投資元本を割り込むことがあります。また、外貨建ての資産は為替変動による影響も受けます。従って、お客様の投資元本は保証されているものではなく、運用の結果生じた利益及び損失はお客様に帰属します。投資する可能性のある金融商品等には、価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動リスク、デリバティブ取引に伴うリスク、カントリーリスク等のリスクを伴います。

リスクの開示
投資する金融商品等の価値の変動が受託資産の運用成果に影響を与えます。投資する可能性のある金融商品等には、価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動リスク、デリバティブ取引に伴うリスク、カントリーリスク等のリスクを伴います。

費用について
投資一任契約に基づいて直接投資をする場合の費用
投資顧問料率
25億円までの部分に対して 0.864%(税抜 0.800%)
25億円超50 億円までの部分に対して 0.810%(税抜 0.750%)
50億円超100 億円までの部分に対して 0.756%(税抜 0.700%)
100億円を超える部分に対して 0.702%(税抜 0.650%)
※ 表記の料率は年率表示です
※ 上記以外に投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の報酬体系は上記と異なる場合があります
※ 契約資産の性質・運用方法等により、お客様と協議の上、最低受託額、受託額及び投資顧問料率を別途取り決めることがあります
※ 税込料率は法律に定められる税率が適用されます
また、投資一任契約に基づく組入資産の売買手数料、保管費用等をお客様にご負担いただきます。(当該手数料等につきましては、運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません。)

最低受託金額
効率的な運用を実現するという観点から、個別口座の最低受託金額を50億円と設定しております。

《ご注意》
上記に記載している費用項目につきましては、一般的な投資一任契約を想定しております。受託資産の運用に係るリスクや費用については、投資一任契約を締結する際に、事前に契約締結前書面をご覧ください。

投資一任契約に基づいて投資信託に投資する場合の費用
組入れ予定の投資信託は、弊社がお客様と締結する投資一任契約に基づいて投資を行うための専用ファンドであり、当該目的での利用に限定しております。

投資顧問料率

一律0.81%(税抜0.75%)

組入れる投資信託で弊社が運用報酬を受領する場合、上記料率から控除して投資顧問報酬額を算出します。
• 組入れ予定の弊社設定投資信託から弊社が受領する運用報酬はございません。したがって、投資顧問報酬額は上記の年率0.75%(税抜)で計算されます。
• 表記の料率は年率表示です。
• 契約資産の性質・運用手法等により、お客様と協議の上、別途報酬額を取り決める場合があります。
• 税込料率は法律に定められる税率が適用されます。

投資信託にかかる費用
信託報酬 年率0.054%(税抜 年率0.05%)内、委託者報酬(運用報酬) ありません
信託財産留保(相当)額 基準価額に0.20%を乗じた額(解約時)
• 販売手数料はございません
• 当該投資信託に関する以下のその他の費用を、投資信託財産で間接的にご負担いただきます
- 組入有価証券を売買する際に生じる取引費用
- 外貨建資産の保管費用
- 信託事務の処理に要する諸費用
- 受託会社の立替えた立替金の利息
- 投資信託財産に関する租税
- 投資信託財産に係る監査報酬
- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
- 投資信託振替制度に係る手数料および費用等

(上記その他の費用については、当該投資信託の運用状況等により変動するため、事前に料率やその上限額等を表示することができません)上記投資顧問報酬(0.75%)と上記投資信託の信託報酬(0.05%)の合計は、0.80%(年率、税抜)となります。

CRC 1978816 Exp. 12/27/2018